大学院在籍時より、医療・福祉施設で働く人々の「やりがい」や仕事に対する「満足感」に関心を寄せており、現在も研究の主題としています。特に、医療従事者の職務満足感や人材育成、キャリア支援等をテーマに取り上げ、現在は医療機関で働く事務職員のキャリアラダー(キャリア開発におけるスキルや能力の段階を定義する制度)の開発に取り組んでいます。医療経営を担っていくために必要な事務職員を確保するには、事務職員のマネジメント能力を高める人材育成が不可欠であり、特定の業務に特化した経験や慣習による指導だけではなく、業務を横断的かつ体系的に習得するための育成システムが必要です。研究では現場で求められる専門スキルやマネジメント能力を医療機関の現場職員と共同で分析し、実用性の高いキャリアラダーの開発をめざしています。
医療福祉マネジメント学を専門とする柴山ゼミでは、人的資源に関する経営課題の発見、分析・考察を通じ、解決策を検討する能力の修得を目標としています。医療福祉分野が抱える経営課題の中でも、特に「組織で働くヒトを中心とした課題」を取り上げ、考察。働く人のワークエンゲージメント(仕事に対して前向きで充実した状態)やモチベーション、多様性を尊重した柔軟な働き方の実現や、キャリア支援等について学びます。さらに、医療福祉政策や社会動向を踏まえながら、人的資源マネジメントの特徴や課題についても考察を深めます。
安心して医療や介護を受けられる社会を維持するには、病院や施設の持続可能な経営を支える人材の存在が不可欠です。マネジメントの視点から医療福祉施設を見つめ、考察する面白さとやりがいを一緒に味わいませんか。
専門分野/医療福祉マネジメント学
略歴/川崎医療福祉大学を卒業後、同大学院 医療福祉学研究科医療福祉マネジメント学専攻(修士課程)に進学する。大学院在学中は「医療福祉業界の人的資源管理に関する研究」に従事。さらにデンマークでの海外研修を経験し学びを深めた。修了後、川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部医療福祉経営学科へ助教として入職。2012年より現職(講師)。修士(医療福祉マネジメント学)。