環境問題の多くは経済活動の結果として発生します。例えば地球温暖化問題は、経済活動が拡大し、石油や石炭などの化石燃料を燃焼することに世界の社会・経済が大きく依存したことで深刻化しました。なぜ環境を破壊するような経済活動が行われるのか、伊藤ゼミナールでは様々な事例を通じて考えていきます。昨今は環境問題に関心を持つ学生が増え、それは喜ばしいことなのですが、環境問題はニュースによく取り上げられるものだけでなく、直接的には見えにくい問題や、過去に発生した未だに解決されていない問題もたくさんあります。また、個人の努力だけではどうにもならず、社会の仕組みを変えないと解決できない問題もあります。学生の皆さんには「社会の仕組みを変えるために、自分ができることは何か」ということを考えていただきたいですね。
伊藤ゼミナールでは、学生が興味を持ったテーマを現地調査などを行いながら調べ、発表や議論を繰り返します。「学生には“当たり前”と思われていることに疑問をもつ、批判的に捉える、ということを意識してほしいですね。環境問題では、『リサイクルをする』といった個人の努力だけでなく、社会や経済の仕組みのどこに問題があり、どこをどのように変えるとうまくいくか、ということを考えてほしいと常に言っています。また、レジュメやレポートを作成する際には“事実と意見を分ける”という意識と技術も身につけてほしいと思います」
大学ではぜひ、学生時代にしかできないことをやりましょう!長期の旅行、読書、ボランティア…、何でも構いません。自由な時間と、失敗してもやり直しができるという学生の「特権」を十分に活かしてください。
専門:環境経済学、環境・エネルギー政策論、震災復興など
一橋大学社会学部卒。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋大学経済学部助手、千葉商科大学商経学部教授等を経て、2014年より千葉商科大学人間社会学部教授。環境NGOの理事を務めるなど、学外での活動も積極的に行っている。