太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、日本中どこでも調達できるものです。それは脱炭素に貢献する一方で、ビジネスとして利益だけを追求すると、自然破壊を引き起こし、地域トラブルにもつながります。再エネを地域の人々がビジネスに変え、地域に役立て、地域経済を活性化させる「サステナブル・ビジネスモデル」をいかに日本中に広げていくか、それが私の研究テーマです。しかし、こうしたビジネスを持続させるには、利益を生み出しながら、地域社会や環境にも配慮しなければなりません。こうした社会課題に気づき、複雑な問題を多面的に考え、自分なりの最適解を見つけて実行できる“サステナビリティ人材”がいま求められています。ここから私たちの未来に貢献できる人材、そしてビジネスを創出していきたいと考えています。
手嶋先生の授業は理論と実践の両方を重視しています。「どんなに知識を得ても、何も実行しなければ結果を生みません。教室で学んだ理論を実際のビジネスの場面でどう使うか、フィールドで実践していきます」。また、『対話』を大切にしています。「私の授業は出席をとりません。学生が自ら挙手して意見を発言した場合のみ評価するようにしています。企業を経営し、社員を育成した経験から、日本は学生も社会人も積極的に発言しないことに危機感を感じてきました。対話を重ね、この先数十年活躍するための力を身につけてほしいと思います」
高校では「正解」を示そうとしてきたかもしれませんが、大学ではあなたの意見が必ず尊重されます。先生の意見よりもあなたの考えの方が正解に近いかもしれない、という考え方で議論が進むことを覚えておきましょう。
専門:経営学(サステナブル・ビジネスモデル、サステナブル・アントレプレナーシップ、再生可能エネルギー事業)
1988年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1995年London Business School卒業。インターネットや再生可能エネルギーなどの複数の会社経営を経て、2019年4月より千葉商科大学基盤教育機構准教授に就任し、キャリア・ビジネス関連科目を担当。自然エネルギー100%大学プロジェクトのプロジェクトリーダーを務める。