私が担当しているのは『ファッション画』の授業です。ファッション画は、頭のなかにある服飾や小物のアイデアをイラストで表現し、第三者に伝えることを目的としています。そのため服の構造、生地や素材などが伝わるよう工夫する必要があり、思うままに描く趣味の絵とは異なる観点や技術が求められます。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、ファッション画を描いたことがない学生が大半なので、スタートラインは皆同じです。人のプロポーションや服のシルエットを描くコツ、素材の表現方法などを丁寧に指導しているので、絵を描くことが苦手という人も安心してください。第1回目の授業から課題を1年間ファイリングしますが、最初の作品と最後の作品では、自分でも驚くほど上達していることを皆が実感できるはずです。
授業ではまず8頭身のプロポーションの描き方から学ぶとともに、服の構造や型などをシンプルに描くハンガーイラストの描き方を修得。シャツやスカートなどの基本的なアイテムからコートまで少しずつ難度を高めながら、人が着装した際のイラストを描いて技術力を高める。數井先生や学生が描いたサンプルが教室に貼られ、筆致などを参考にできるので上達も早められるという。「服の構造や素材を理解し、意識しながら描くことでファッションの細部に目がいき届くようになり、服飾に関する専門的な視点も養われます」
自分が好きなことや夢中になれること、得意なことを社会で活かせるとしたら、それはとても幸せなこと。人生がより豊かになると思います。ファッションが好きなのであれば、ぜひ一度本学へ見学に来てください。
専門/ファッション画
略歴/杉野服飾大学アートファブリックデザインコース(現テキスタイルデザインコース)卒業。卒業後、同学に勤務。ファッション研究室に技術助手として配属、現在は講師として活躍中。担当科目は『ファッション画』および『スタイリング演習』。監修した著書に『新版モダリーナのファッションパーツ図鑑』(マール社 2019年)などがある。