私は日本のホテル、旅館、病院などに向けて、ベトナムで家具を生産する仕事をしています。ベトナムに駐在して3年目。現在は経済の中心であるホーチミン・シティで、家具工場への製作発注や品質管理、そして日本へ納品するための輸出業務まで、ベトナムでの生産の全部を任されています。はじめはただの図面に過ぎなかったものが、実際に家具としてできあがるのはとても嬉しいものですし、何より入社4年目ですが、これだけ責任が大きい仕事を任せられていることにやりがいを感じています。
ハノイ大学に留学をしていた時に、ベトナムへの進出を考えていた社長の通訳としてアルバイトをしたのが、社長との出会いです。それ以来日本に帰国してからも、大学の休みを使って、ずっとベトナム進出に向けた準備のお手伝いをしていました。まだどんな事業をするか決まっていない頃から関わっていたので、やりがいも感じていましたし、ほとんど社員のような気持ちでいましたから、当然のように就職も決めました。入社してすぐの6月にベトナムに赴任。ハノイからホーチミン・シティへと事務所は移りましたが、ずっとベトナムで働いています。
私が高校生の頃は、ベトナム語はもちろん、ベトナムという国のこともほとんど知りませんでした。ホーチミンが都市の名前になっていることも知らなかったぐらい。でも大学1年の春休みにベトナムのハノイに旅行に来て以来、ハノイが大好きになりましたし、ベトナムという国も好きになりました。アメリカやオーストラリア、台湾、中国、韓国などへも行きましたが、それぞれの国で新しい発見があり、出会いがありました。たくさんの国を自分の目で見ることはとても大切です。ニュースやテレビで知ることと、自分で確かめる事の間には大きな開きがあるものです。日本から出てさまざまな国を見ることで、きっと自分の世界観は変わると思います。
家具商社勤務/外国語学部国際言語文化学科ベトナム語専攻(2012年4月よりアジア言語学科ベトナム語専攻)/2010年3月卒/週末はラグビーチームで汗を流しているという新田さん。「メンバーは50人ほどで、日本人は2割ぐらい。あとは世界各国からベトナムに来ている人たちです。練習のあとに一緒にご飯をたべたりするのも楽しいですし、仕事を紹介してくれることもあります。いろいろなネットワークに助けられています」。