私たちの暮らしは、生命の豊かさである生物多様性に支えられています。残念ながら、自然開発や地球温暖化、外来種の侵入など様々な環境問題により、生物多様性は減少の一途をたどっています。人がこれからも豊かで心も身体も健康的な日常を送るためには、生き物たちが暮らしやすい環境を整え、生物多様性を守る必要があるといえます。私は、生き物たちが何を食べて育ち、どんな異性をパートナーに選んで子孫を残すのか、そして他の生き物とどう関わりを持つのかなど、その生態を進化の観点を交えながら調べています。そして、明らかになった生態の情報を元にして、生物多様性を保全する具体的な方法を探る研究を進めています。研究のスタートは、身の回りにある里山や河川でのフィールドワーク。自然豊かな本学キャンパスも研究のフィールドです。
高橋先生の授業は、自然が豊かなキャンパス内でのフィールドワークから始まります。そこで、生き物の分布パターンの定量化や土質・水質の測定法など、生き物の生態や環境との関わりを理解するための環境調査の基礎を学びます。調査の基本が身についたら、自分の興味がある生き物の生態や保全の方法を探究していきます。ほ乳類や鳥、魚や昆虫など、学生の研究対象は様々。好きな生き物を研究できる点が魅力です。また、保育所と連携して、子供たちと学生が一緒に身近な生物の図鑑を作るなど、地域での環境教育にもゼミで取り組んでいます。
調査をしていると、生き物の存在が私たちの生活と深く関わっていることを実感できます。そんな気づきから、生き物の多様性と私たちの生活の豊かさの両方を叶える方法を一緒に考えていきましょう。
学士(理学)、 修士(理学)、 博士(理学)
大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程生物地球系修了、長野大学環境ツーリズム学部教授を経て現職に至る。