私が力を入れているのは、プロスポーツクラブの経営研究です。経営は業種によってやり方が大きく異なり、例えばメーカーであれば品質・価格・人気のバランスがとれた製品を作れば、経営が安定するという流れになります。しかしプロスポーツクラブは集客などによる収入に加え、勝負に勝てる強いチームを作ることが求められます。日本の場合、プロスポーツの歴史がまだ浅いこともあり、ヨーロッパのサッカーチームなどには必ず在籍している経営のプロフェッショナルが少ないことが現状です。大学での4年間でこうしたスペシャリストを育てることは難しいのですが、プロスポーツを支える場で仕事ができる経営的視野を養うことは可能。そうした人材を育成するとともに、私自身も研究を続け、日本のプロスポーツの繁栄のための力になりたいと思っています。
佐々木先生のゼミでは、全国の大学生がスポーツの政策提言を競い合う「Sports for Japan」というコンペに出場し、入賞を狙います。2020年度は4チームが出場。残念ながら入賞は叶いませんでしたが、出場のために要旨制作、プレゼンテーションなどを行う中で大きく成長します。また授業ではスポーツに関わるお金の流れとビジネスとの関わりについても考察を深めます。サッカー観戦のために購入するチケット代やグッズ類がスポーツチームの運営にどう使われているかなどについても考え、経営的な視点でスポーツを捉える力を養います。
私自身、高校時代は部活に夢中で勉強は二の次でしたが、受験では猛勉強して大学へ。その後好きなことに出会って人生が開けました。何をするかを決めるのは自分自身。道を開くか否かを決めるのも自分自身ですよ。
専門:スポーツビジネス、スポーツマーケティング、スポーツマネジメント
略歴:早稲田大学人間科学部スポーツ学科卒業。早稲田大学スポーツ科学学術院修士課程修了。広告代理店勤務、Jリーグクラブ勤務を経て大学教員に。2018年城西大学経営学部准教授に就任。「子どもの頃からスポーツをするだけでなく観戦も好きでした。スポーツ界での実務経験を活かして、これからのスポーツ産業を担う人材を育てていきたいですね」