「ゲーム理論」と聞くと、ゲームの一種と考える人もいるかもしれません。しかし、それはゲームではなく、人々の行動が社会に定着する仕組みを予想し、解明していく理論です。ゲーム理論はさまざまな場面に当てはめることができます。例えば、携帯電話の所有者の増え方の分析やデートの待ち合わせ場所をどこにするかといった身近な出来事にも応用することができます。デートに関して言えば、待ち合わせの場所を考えるとき、二人の意見が一致していればスムーズに決まります。しかし、お互いに譲れない条件などがあって意見が割れる場合はそうはいきません。そこで、ゲーム理論は条件や背景を想定し、当事者がどのような選択をするのが最適なのかを考えることにより、解決策を提案します。ゲーム理論は、経済学の中でも今後の発展が見込まれる分野です。
先生のゼミでは、最初は入門的なテキストを用いてゲーム理論の概要を学びます。そのうえで、学生の個別的な探求テーマに基づいた発展的な研究をします。経済学のなかでもゲーム理論は数式を使用することが多いため、数学の知識が必要とされます。「経済学は文系に分類されますが、数学を理解していないとなかなか先に進めません。数学に苦手意識を持つことで挫折してしまう学生もいます。そこで私のゼミでは、空き時間などに数学指導を個別に行い、学生が意欲的に学べる環境づくりを心がけています」(宮下先生)
経済学は様々な視野を与えてくれる学問です。充実した社会人生活を送るために必要な客観的な視点、言い換えれば、他者の立場を考えて行動できる道徳的な力も経済学を学ぶことで身につけることができます。
専門:進化ゲーム理論
略歴:愛媛大学法文学部卒業。筑波大学人文社会科学研究科経済学専攻修士課程修了。
筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻博士課程修了。2019年4月城西大学経済学部経済学科助教に就任。
「法文学部出身ですが、数学が好きで大学時代は工学部や理学部の講義を数多く履修しました。数学への理解を深めたことが、研究テーマである進化ゲーム理論に興味を持ったきっかけです」(宮下先生)。