私たち人間が使う言葉のことを「自然言語」と言い、一方でコンピュータが理解するプログラミング言語を「人工言語」と言います。私の研究は、大規模なテキストデータから新たな知識を抽出して分析することで、コンピュータで人間が使う自然言語を処理する技術を学び、言葉の意味を深く追究することです。最近ではSNSで皆さんがつぶやいているビッグデータを収集し、その中から目的のトピックについて「どんなことが語られているか」を見極めるための、さまざまな分析手法を用いた研究に取り組んでいます。私の研究室には、新型コロナウイルスの感染状況により、人々の感情がどのように推移するかを分析した学生も。言葉を分析することで社会全体の雰囲気が分かり、さらに世界中の言語で分析すれば、国内外の感情の推移も分かるようになってきます。
人工知能専攻は、数理科学やプログラミング言語といった基礎的な学びを修得しつつ、収集したデータの意味を理解して、かつ、どのように分析して判断するかといった能力を修得していきます。さらに、情報工学専攻や情報メディア専攻と協働しながらより実践的にAI技術の応用にチャレンジできる「課題解決型実習」も大きな特徴。他専攻の学生はもちろんのこと、学年の垣根を越えて一緒に課題解決に向けて取り組むことで、上級生が学んだことを下級生に教えたり、学生同士の知識や考えをMIXさせることで、より学修を深めていきます。
現代の私たちにとって、かけがえのない存在といえば家族や友人などですが、もしかしたら近い将来はそこに「AI」が加わるかもしれません。そんなAIを自ら育ててみたいという人は、ぜひ本学で一緒に挑戦しましょう。
専門:自然言語処理、計算言語学
学術博士(慶應義塾大学)。研究テーマ:機械(深層)学習を用いたSNS上の感情分析や歌詞分析、医療や論文などの専門用語分析。現:湘南工科大学 工学部コンピュータ応用学科教授。※2023年4月より情報学部に改組