建設や物流など各産業界から大きな期待が寄せられている飛行型ドローンの実用化。しかしそれには墜落というリスクが潜んでいます。いくつかあるモーターが故障で完全に停止しても、残ったモーターで飛行を続けるための数学的理論と定理を構築し、有効性をコンピュータシミュレーションで示した論文を発表しました。これらの定理は空飛ぶ車などの技術にも応用できるため、関係者には非常に注目されています。企業の技術研究所と共同で行っている、飛行型ドローンのコントローラ開発では、これらの定理を実装し、モーターの故障下で飛行制御できることを目指しています。こうした研究の源流として、数年前から学生らとドローンの機体と理論研究に取り組んできました。脳波でドローンを飛ばす技術など、学生達のユニークなアイデアも多く生まれています。
2年次から研究活動を始められる「横断型先端分野学修プログラム」のIoTコースで指導にあたっている岡崎先生。IoTコースでは、世界中の大学が取り入れている学生版組み込みデバイス「NI myRIO」を使い、IoTに必要なセンサーやWi-Fi、サーボなどの組み込みと、CPUの1万倍速いFPGA実習を通して体験的に技術を習得していきます。さらにPythonはもちろん、超Pythonと言われる他言語のいいとこ取りの新言語Juliaやクラウドコンピューティングについても習得。次の時代を見据えた技術を学び、1年間でIoTの技術で遊べるレベルへと導いていきます。
IoTコースでは、FPGAのAIデバイスとクラウド・量子計算の初歩に触れ、研究へ展開できます。大学院の「クラウド・量子コンピューティング特論」を聴講し、量子計算研究を学会発表する学生も現れています。
専門:応用数学、非線形回路・システム理論
早稲田大学理工学部機械工学科卒業。早稲田大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(工学)早稲田大学。文部省長期在外研究員、米国Cornell大学客員研究員などを経て、2001年より湘南工科大学にて研究・教育にあたる。現:工学部コンピュータ応用学科教授。※2023年4月より情報学部に改組