現在取り組んでいるのは、生体イメージング(画像診断)を使って病気の原因となる分子の動きを明らかにする研究です。「病気の原因は何か」「体のどこにあるのか」という情報を、体中の分子の動きを捉えることによって、ひと目で分かるように可視化する「分子イメージング」技術。がんの診断などに用いられるPETもその一つです。代謝や生理機能の変化をとらえる医薬品「分子プローブ」を患者さんに投与し、そのシグナルを検出して画像を得ます。例えばアルツハイマー病では、脳の血流や酸素消費量など、生体内の環境が健康な状態とは変わってきます。疾病による生体の機能的な変化は形状の変化よりも早くおこるため、早期診断・早期治療に役立つのです。分子イメージング技術を利用して疾患のメカニズムを解明し、医療に貢献することを目指しています。
日頃から研究指導で学生と接する機会が多い宿里先生が心がけているのは、学生一人ひとりが研究活動を通して、自発的な行動が身につけられるように導くこと。特に問題に直面した時には、まず自分で調べて、自ら考え、自ら解決する行動力が欠かせないと話します。「自発的な行動は、研究に限らず、どのような進路に進むとしても必要な力ですから、まず学生のやる気を引き出す働きかけをするようにしています。私は大阪出身ですが、学生が萎縮しないように関西弁は封印しています(笑)」。
昭和薬科大学には熱い志を持って親身に指導する先生方が多い大学です。私は総合大学出身なので、国家試験合格に向けて先生と学生が一丸となって取り組む姿がとても新鮮でまぶしく感じます。一緒に頑張りましょう!
専門/薬品物理化学
薬学を学ぶうちに、病気の治療や診断には、その発症や進行のメカニズムを明らかにすることが重要だと気づき「脳の仕組みを含めて、体の中でどんなことが起こっているのかを知りたい」という思いから薬品物理化学の分野に携わるようになった。「複雑な生命現象に向き合うことは、知的好奇心が刺激されて面白い」と話す。休日には山や海に出かけるアウトドア派。バーベキューなどを楽しんでリフレッシュしている。