専門は古代ギリシア哲学で、中でも近年は「コスモロジー」、日本語で言うと「宇宙論」を研究しています。簡単に言うと、宇宙はどのようにできているかを論じるものですが、古代ギリシアではすでに、宇宙の研究がかなり進んでいたことがわかっています。古代の人々は太陽や星々を見て宇宙を「永遠性の象徴」として捉え、対して人間はいつかは消えてなくなる「死すべき存在」と捉えていました。宇宙との対比で人間を論じたり、宇宙との関係を考えたりするのも宇宙論です。
「西洋古典学研究の民主化」も最近関心があるテーマです。西洋古典を研究するには、ギリシャ語やラテン語の原典、海外の研究資料の読解が必須です。その過程が嫌で研究をやめてしまう人もいるほどなので、他の研究者たちと共同で、生成AIを使ったシステムを開発しました。
プログラミングを勉強し、研究に使えるシステムを開発してしまうほど好奇心旺盛!
田中先生の授業は教えるよりもまずは学生自身に考えてもらうのが特徴。「お笑いのネタを作ったり思考実験をしたり。思考実験とは特定の前提や条件を設定し、考えて結論を出す実験です。『人はなぜ笑うのか』『自己とは何か』といった日常的なテーマを扱って記憶喪失になった自分を想定してもらったり、『君の名は。』のように朝起きたら別人に入れ替わっている状態を想定してみるといった実験を行います。難しい知識をただ教えるのではなく、実験を通して『常識を問題化し、自分の考えを持つ』ということを学んでほしいと思っています」。
太宰治やドストエフスキーにハマったのち、古代ギリシアに出会う
哲学(philosophy)の語源は、ギリシア語で「智を愛する」、つまり「好奇心」なんです。どんな好奇心も、哲学や研究につながります。自分の好奇心を思い出してチャレンジしてみてください。
古代ギリシア人の生き方は「スッキリ爽快」!と、田中先生
京都大学出身。担当科目:哲学概論、倫理学基礎文講読、美学・芸術論、哲学の諸問題、哲学研究特論、西洋哲学・思想史、リベラルアーツセミナー、専攻演習、数的思考と論理など。「『アナバシス』という古代ギリシアの本との出会いをきっかけに哲学を学び始めました。考え方が異なる相手でも、議論の末に説得されたら、命をかけて従うというシンプルで力強い有様に感銘を受けて。最近はポップカルチャーにも興味があります」。
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