教育探究科学群は、学生がお互いに「教えて、学ぶ」をコンセプトに、教員養成課程とは異なる大学の新たな教育学の在り方を提示する教育組織です。予測困難な社会に求められる好奇心や探究心を、探究科学の手法の獲得を通じて身に付け、社会に通じる確かなリサーチスキルを修得していきます。若手の教職員を中心に本学群作りがなされ、さまざまな新しい試みをするのが大きな特徴です。私は、学群長として、教育探究科学群に関わる教職員、そして学生の皆さんの成長を支え、学群の目標である「教育を通じて社会に貢献する人の育成」の到達をめざしていきます。
授業においては、自らの好奇心や探究心に基づく意思決定の機会が多く、また、「教えて、学ぶ」のコンセプトのもと、自らが学ぶだけでなく、他者に教えることによって学んでいくため、自他の成長への関心を持っている必要があります。卒業後に所属する組織や企業においては、教育学的思考と探究科学の手法を活かし、人、物事、アイデア、組織などをつなぐ共創型のファシリテーション機能を持つことを期待されています。
学生たちが「何を学び、身に付けることができるのか」を明確に示し、その成果を実感できるようにした「学修者本位」のシステムへの転換をめざします。
1976年、東京大学教育学部卒業。1982年、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。広島修道大学人文学部助教授、放送大学教養学部助教授、東京大学大学総合教育研究センター助教授、同教授を経て、2019年4月から現職。日本高等教育学会会長、あしなが育英会理事、文部科学省中央教育審議会臨時委員などを歴任。主な研究テーマは「高等教育論」「教育費負担」「学生支援」「大学評価」「大学経営」「学費」。