国立音楽大学の関連ニュース
国立音楽大学、滋賀大学と連携および協力に関する協定を締結
2024/3/6
国立音楽大学は、2023年7月28日、滋賀大学と連携および協力に関する協定を締結し、共同記者会見を行った。
今回の協定は、学生の教育、研究に関すること、学術研究に関することなど、広く両校の強みを生かした交流を目的としている。
記者会見では、今回の協定の意義について、また今後の両校の教育・研究活動について多くの質問があがり、注目度の高さがうかがえた。
【データサイエンス×アートはユニークな分野】
まず、梅本 実学長は、今回の協定により「音楽とデータサイエンスという二つの異なる分野が交差することで新たな音楽文化を創造していくことを目指す」とその意義について述べた。
次に、滋賀大学の竹村彰通学長は、今回の協定は本学が音楽データサイエンス・コースを開設するとのニュースを見て興味を惹かれたと話したうえで、自身もピアニストを目指し専門教育を受けていたことに触れ「AI技術の進歩によってデータサイエンスと音楽の境界が近づき、新しいことができそうだと考えている。人間の感性にどれだけアプローチできるか、また昨今の生成AIの隆盛のなかで人間の創造性とデータサイエンスがどう関わるか、データサイエンス×アートの領域はユニークな試みだと思っている」と今後の交流の展望を話した。
【従来のカリキュラムにはない新しい分野の学びに挑戦する】
協定書の取り交わしに続いて、データサイエンス分野での両校の取り組みについて紹介を行った。
国立音楽大学からは、音楽文化教育学科 音楽情報専修准教授で音楽データサイエンス・コースを担当する三浦 雅展先生が音楽データサイエンス・コースのカリキュラムについて述べた。
国立音楽大学では、音楽を主軸においた教育、研究に取り組んできたが、音楽をさらに社会へ広めていくために、データサイエンス視点から音楽を考えることが必要であること、例えば音楽配信等で行われているレコメンドシステムの機能について音大生が身につけた音楽の総合的な知識と感性を用いてモデル化する、音楽データサイエンス・コースで身につけた知識を広く社会へ還元させる音楽データサイエンティストの育成を目指す、と話した。
また、滋賀大学 データサイエンス学部教授の市川 治先生からは、データサイエンス学部が今秋に新規開講する科目の取り組みを例に話した。ChatGPTやStable Diffusionをはじめとする生成AIの進化はめざましく、従来の機械学習を中心としたカリキュラムにはない新しい学びの領域への挑戦が必要であること、新しい講義ではデータをたくさん集めて、そこから何か新しい知見を学習するような枠組を学び、実際に生成AIを使用していかに自分の課題に近づけるかということに臨みたい、と話した。
【データサイエンスが正解のない世界へ突入する】
続いて、質疑応答が行われ、活発な意見交換が行われた。
特に、今回の両校の連携によって得られる効果や今後の展望について話が及んだ。
滋賀大学の市川先生は「芸術分野と連携することは、データサイエンスが正解のない世界に突入する大事な一歩。機械学習というのはある程度の物差しがはっきりしているものだったが、生成AIはそこに正解がなく、その成果物にどんな価値があるのかも判断できない。我々は新しい世界を切り拓いていくということ、そして両校の教員と学生が交流することで、答えのない世界へ乗り出すのだとまずはご理解いただきたい」と異なる分野のぶつかり合いに期待を寄せていた。
また、国立音楽大学の三浦先生は、演奏科学の例として打楽器のマレット奏法に関する研究について触れ、モーションキャプチャを用いてさまざまな奏法(マレットの握り方)による音楽性の違いを可視化することで、客観的な裏付けを持って演奏、そして教育に貢献できると紹介。「演奏はある意味ではスポーツ科学の分野にも近く、瞬間の芸術。スポーツは速さなど目にみえる成果がはっきりしているが、演奏は難しい。まずは三面鏡で自分を見るような、多面的に演奏を捉え可視化する、自らがスキルアップすることに主眼をおきたい」と述べた。
その他、今後の展望として滋賀大学 データサイエンス学部長の椎名 洋先生は、具体的なデータサイエンスと音楽の関わりについて「データサイエンスはよく料理に例えられる。まずは素材の知識があって初めていい料理ができる。音楽の奥深い世界のさまざまなデータを提供してもらえたら面白い分析もできるのでは」と話した。
また、学生たちが両校の講義を受講する機会はあるかとの質問に対し、椎名先生、三浦先生から「お互いに講義をし合うということはあると思う」「最先端のデータサイエンスを学ぶ機会を得られたら」とその可能性についても述べた。
■詳細リンク先(https://www.kunitachi.ac.jp/NEWS/introduction/20230805_01.html)
今回の協定は、学生の教育、研究に関すること、学術研究に関することなど、広く両校の強みを生かした交流を目的としている。
記者会見では、今回の協定の意義について、また今後の両校の教育・研究活動について多くの質問があがり、注目度の高さがうかがえた。
【データサイエンス×アートはユニークな分野】
まず、梅本 実学長は、今回の協定により「音楽とデータサイエンスという二つの異なる分野が交差することで新たな音楽文化を創造していくことを目指す」とその意義について述べた。
次に、滋賀大学の竹村彰通学長は、今回の協定は本学が音楽データサイエンス・コースを開設するとのニュースを見て興味を惹かれたと話したうえで、自身もピアニストを目指し専門教育を受けていたことに触れ「AI技術の進歩によってデータサイエンスと音楽の境界が近づき、新しいことができそうだと考えている。人間の感性にどれだけアプローチできるか、また昨今の生成AIの隆盛のなかで人間の創造性とデータサイエンスがどう関わるか、データサイエンス×アートの領域はユニークな試みだと思っている」と今後の交流の展望を話した。
【従来のカリキュラムにはない新しい分野の学びに挑戦する】
協定書の取り交わしに続いて、データサイエンス分野での両校の取り組みについて紹介を行った。
国立音楽大学からは、音楽文化教育学科 音楽情報専修准教授で音楽データサイエンス・コースを担当する三浦 雅展先生が音楽データサイエンス・コースのカリキュラムについて述べた。
国立音楽大学では、音楽を主軸においた教育、研究に取り組んできたが、音楽をさらに社会へ広めていくために、データサイエンス視点から音楽を考えることが必要であること、例えば音楽配信等で行われているレコメンドシステムの機能について音大生が身につけた音楽の総合的な知識と感性を用いてモデル化する、音楽データサイエンス・コースで身につけた知識を広く社会へ還元させる音楽データサイエンティストの育成を目指す、と話した。
また、滋賀大学 データサイエンス学部教授の市川 治先生からは、データサイエンス学部が今秋に新規開講する科目の取り組みを例に話した。ChatGPTやStable Diffusionをはじめとする生成AIの進化はめざましく、従来の機械学習を中心としたカリキュラムにはない新しい学びの領域への挑戦が必要であること、新しい講義ではデータをたくさん集めて、そこから何か新しい知見を学習するような枠組を学び、実際に生成AIを使用していかに自分の課題に近づけるかということに臨みたい、と話した。
【データサイエンスが正解のない世界へ突入する】
続いて、質疑応答が行われ、活発な意見交換が行われた。
特に、今回の両校の連携によって得られる効果や今後の展望について話が及んだ。
滋賀大学の市川先生は「芸術分野と連携することは、データサイエンスが正解のない世界に突入する大事な一歩。機械学習というのはある程度の物差しがはっきりしているものだったが、生成AIはそこに正解がなく、その成果物にどんな価値があるのかも判断できない。我々は新しい世界を切り拓いていくということ、そして両校の教員と学生が交流することで、答えのない世界へ乗り出すのだとまずはご理解いただきたい」と異なる分野のぶつかり合いに期待を寄せていた。
また、国立音楽大学の三浦先生は、演奏科学の例として打楽器のマレット奏法に関する研究について触れ、モーションキャプチャを用いてさまざまな奏法(マレットの握り方)による音楽性の違いを可視化することで、客観的な裏付けを持って演奏、そして教育に貢献できると紹介。「演奏はある意味ではスポーツ科学の分野にも近く、瞬間の芸術。スポーツは速さなど目にみえる成果がはっきりしているが、演奏は難しい。まずは三面鏡で自分を見るような、多面的に演奏を捉え可視化する、自らがスキルアップすることに主眼をおきたい」と述べた。
その他、今後の展望として滋賀大学 データサイエンス学部長の椎名 洋先生は、具体的なデータサイエンスと音楽の関わりについて「データサイエンスはよく料理に例えられる。まずは素材の知識があって初めていい料理ができる。音楽の奥深い世界のさまざまなデータを提供してもらえたら面白い分析もできるのでは」と話した。
また、学生たちが両校の講義を受講する機会はあるかとの質問に対し、椎名先生、三浦先生から「お互いに講義をし合うということはあると思う」「最先端のデータサイエンスを学ぶ機会を得られたら」とその可能性についても述べた。
■詳細リンク先(https://www.kunitachi.ac.jp/NEWS/introduction/20230805_01.html)