研究テーマは、「保育における衛生観の変遷」や「保育における環境(時空間)の変遷」です。さまざまな園の保育環境を歴史的に見てみると、それぞれの園の創意工夫や保育者の思いに触れることができます。また、歴史的に見ても人類の感染症との闘いは保育の現場においても無縁ではありません。例えば手指の消毒、園庭の砂場の抗菌、食事の時の3密防止など、現場ではこうした課題に日々直面しています。一方で子どもたちを無菌状態で育てていくことは不可能で、泥んこになって遊んだり、動植物と親しむ「乳幼児期の自然体験」もとても重要なものです。科学的な見地から有効な感染症対策とは何か、そして子どもたちの健やかな成長のために必要な自然体験とどう両立するか、研究を通して保育現場に還元していけたらと考えています。
旭先生が担当する授業では、県内の待機児童について調査してディスカッションをしたり、おもちゃを製作して発表したり、実際に体を動かして遊んだり、学生が自分の頭と心と体を動かして得た気づきを大切にしています。「乳児保育」の授業では、学生がおむつ替えや調乳体験をするほか、布おむつと紙おむつの吸収力を実験してみて、肌に触れた感触を確かめてみます。こうした体験を通して、子どもや保護者の思いを“自分事”として捉え、保育者としてどう援助や支援ができるか考えを深めていきます。
子どもは五感で身近な環境と関わり、楽しみ、多くのことを吸収し、成長しています。そんな子どもの感性を忘れずにいることが保育者には大切です。子どもの世界を一緒に楽しみながら、学んでみませんか?
専門:保育学、保育環境
玉川大学農学部農芸化学科卒、同大学院農学研究科資源生物学専攻修了(農学修士)。製薬メーカーに就業後、東京家政大学家政学部児童学科で3年間助手を務める。その後大学院へ進学し、大妻女子大学大学院人間文化研究科 人間生活科学専攻博士後期課程(満期退学)を経て、保育専門学校で12年間勤務。2021年4月より本学講師。<免許・資格>幼稚園教諭専修免許状、幼稚園教諭1種免許状、保育士資格