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私立大学/福島

コオリヤマジョシダイガク

TALK SESSION-家族対談ー

学園創立70周年を記念して行われたトークセッション。
お話をしてくださったのは、3世代に渡って本学に通われたご家族です。
それぞれが通った、それぞれの時代の、それぞれの出来事。
学生生活をふり返るとともに、学園の歴史が見える貴重なものとなりました。

娘/熊谷 優希さん
平成26年度大学食物栄養学科に入学、在学中。現在は、将来の夢でもある管理栄養士を目指して勉強中。

祖母/明子さん
昭和32年度短期大学家政科に入学、昭和33年度卒業。教職を経て栄養士として病院に26年間勤務。現在退職。

母/貢さん
昭和57年度大学食物栄養学科に入学、昭和60年度卒業。施設で管理栄養士として勤務後、自営の水産会社に勤務。

-本学を選んだ理由を教えてください。
●貢さん 私は、母が通った大学に行きたいと思ったのが一番の理由です。
物心ついた頃から母の在学中の話はもちろん、故 関口富左名誉学長先生の話を聞いていました。仕事も家庭も両立され、独自の家政学理論をお持ちの理想の女性だと。私もいつしか興味を持ち、同じ大学を志望しました。
●優希さん 私も、祖母と母のような管理栄養士になりたいと思い入学しました。もちろん家政学に魅力を感じましたし、祖母と母のすすめも進路を決める上での後押しになりました。
●明子さん 私は宮城県気仙沼市にある唐桑町で育ちました。当時、女性の進学率は周囲を見ても10%にも満たないほどでしょうか。それでも栄養士か教師になって社会進出をしたいと思い、郡山女子短期大学※1を受験しました。東北地方で栄養士の資格を取れる学校はあの頃3校ほどで、一番早く合格通知をいただいたこちらに入学しました。

女性の進学率が10%未満の時代、名誉学長の理念に感銘を受けました。-明子さん(祖母)

※1…現在の郡山女子大学短期大学部

わたしがいるとき、わたしが役立つ。
世代を超えて受け継がれる教えと家族にひらかれた未来。

-通学時期の本学の出来事について教えて下さい。
●明子さん 家庭寮が郡山市役所のそばにあった時代ですね。当時は全寮制でした。栄養士と中学校教諭二級※2の資格を取得するために、寮で裁縫や料理をよくしていたことを思い出します。また、体育館や校庭の配置がずいぶん変わったように思います。
●貢さん 私のころは、芸術鑑賞講座や教養講座がたくさん開かれていました。印象的だったのは、ハムレットの公演や猪苗代町出身の長嶺ヤス子さんの公演です。様々なジャンルにふれて、知識と教養が深まりました。
●優希さん 在学中に制服が自由服に切り替わりました。1年目は制服でしたが、2年目からは私服で通学しています。日常的に実験の授業があるので、動きやすい服装に白衣をはおることが多いです。
●貢さん 制服で思い出しました。暑い日にビーチサンダルで寮から校舎へ移動したことがあったんです。すると富左名誉学長先生が「その靴は正式な場に似合わなくてよ」とおっしゃいました。上から怒るのではなく、マナーを前提に注意する言葉が心に強く残りました。校内に鏡が多くあるのは、姿勢や身だしなみを確認するため。それも故 富左名誉学長先生の教えのひとつですね。

ー3世代で同じ学校に通うことへの思いは?
●貢さん 私が在学していた頃の先生方が今も8名ほどいらっしゃいます。学生一人ひとりを覚え、親身に指導してくださる先生方のもとに娘を通わせられるので安心しています。また、娘を未熟児で産んだものですから、給食制と自炊制のある寮生活も栄養面から見て安心です。
●明子さん 故 富佐名誉学長先生の思いを受け継がれている先生方がいらっしゃることが親として喜ばしいことです。職業婦人として良いと思っております。
●優希さん 私にとってふたりは心強い先輩でもあるので、何かわからないことがあると自宅に電話して教わることがよくあるんです。
●貢さん 最近の食品標準成分表を買って娘と会話しています。「たんぱく質と脂質が多いね」とか、食事のカロリー計算とか(笑)

先生方と学生の距離の近さに、安心して娘を通わせられます。-貢さん(母)

ー社会で活かされている学びはありますか?
●明子さん 私は目標だった栄養士と中学校教諭になることができました。物事に取り組む姿勢は周囲に一目置いていただけた気がします。いつも慈愛に満ちた眼差しで見守ってくださった故 富佐名誉学長先生の教えの賜物です。短大と寮生活で経た料理や裁縫の知識や経験は、活かせる場がたくさん。点数には表せないほどの使い道がありました。
●貢さん 学力だけでなく社会での実践力が身につけられました。学業と寮生活の両立が、段取りの良さに繋がったようです。管理栄養士として「献立を作成するにも、食材を刻むにもスピーディだね。」と職場のスタッフに言われることがあるんです。また、先の震災で避難してきた方に、食事を振舞う機会がありました。お米1合からおむすびが何個できて、1升だと何個になるかとっさに想定でき、機転を利かせた行動に移せる。この経験は故 富佐名誉学長先生のお言葉である“わたしがいるとき、わたしが役立つ”に結びつきました。
●優希さん 管理栄養士は小さなころから憧れていた職業でした。震災の時に自衛隊や海上保安庁の方たちが救助にあたっていましたが、さらにその方たちを食事でサポートしている管理栄養士の存在があったことをテレビで知りました。私も食を通して人を支えたいと改めて思いました。

祖母と母は頼もしい先輩。
同じ場所で、同じ夢を目指します。-優希さん

ー学園創立70周年に向けて、そして、高校生へメッセージをお願いいたします。
●明子さん 女性の地位向上を教育の理念とした故 富佐名誉学長先生の思いを、郡山女子大学の学びから得られますし、現在の先生方もその考えを受け継でいらっしゃると思います。校風や教訓にならって真面目に一生懸命勉学に励めば、おのずと成果は出てくるのではないでしょうか。
●貢さん 郡山女子大学のいちばんの魅力は、教師と学生の距離の近さだと思います。近いぶん、様々なことを丁寧に教えてくださいますし、学生側も質問しやすい環境がある。縁があって母と私、娘がお世話になることができて光栄です。他県の大学に行った兄や親戚からは、「そんな親切な大学は、なかなかないよ」と口々に言われます。
●優希さん 在学している中で、人としてのマナーや常識、女性らしさを日々学ぶことができています。他の大学にないものが、ここにはある気がします。
郡山女子大学(私立大学/福島)
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