私が刑事訴訟法を専門とすることとなったのは、大学時代に出会ったある教授の言葉がきっかけでした。それは「個人の自由の尊重」と「社会の安定」は両立させるべきもので、だからこそ社会には犯罪から市民生活を守るための刑事司法が不可欠になっている。しかし一方で、それが個人の自由を奪う可能性もある。そんな相反する権利の両立の難しさを説いた言葉でした。以来、個人の自由や権利を最大化し一方で犯罪から市民生活を守るための刑事司法システムのあり方や裁判制度のあり方について研究しています。犯罪を解明しそれに見合った刑罰を科す必要性と、個人の自由という対立する利益をバランスさせる具体的保障策も検討しています。主に、アメリカ合衆国の陪審員制度や刑罰制度などに関する研究をし、日本の刑事手続きの解釈・運用を検討しています。
裁判官や検事などを学生が演じる模擬裁判の授業は特徴的です。「裁判は一時の感情や世論に流されて行うと、無罪の人を有罪に陥れてしまう危険性もはらんでいます」と警鐘を鳴らす麻妻教授。そこで大切なのが科刑手続として決められたルールに基づいて裁判を実行すること。刑事事件の模擬裁判は、それを体験を通して理解してもらうための重要な時間だと言います。また法律知識は社会のあらゆる場面で必要になるため、弁護士や裁判官などを目指す者だけでなく民間企業や公務員での活躍を目指す方にも大変有意義な学びが得られると言います。
法律の知識を身に付けておけば、人生において大きな武器になるのでお勧めです。また、さまざまな目的を持つ仲間との出会いは、さまざまな刺激を受け視野を広げ、あなたを人として大きく成長させてくれるでしょう。
中央大学法学部卒業
中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了
桐蔭横浜大学法科大学院教育助手、法学部准教授を経て、現在桐蔭横浜大学法学部教授