民法という法律の中の「錯誤」という分野を研究しています。わかりやすく言うと、勘違いして相手と取引をしてしまった場合に、相手とした契約を法的にどのように考えるのかが、主な研究対象です。皆さんも、ネットで注文した商品が思っていたものと違った、というような経験はありませんか?こんなとき、スマホで検索してAIに相談…は、お勧めできません。法律の世界では、一見同じような事例でも、法的に大切な事実が違うために結論も違ってくる、ということがよくあります。民法で定められているたくさんのルールのうちどれを使うべきか、各ルールの射程範囲を見極めつつ結論の妥当性を検討する知識と経験が求められます。そんなの無理!ですか?いえいえ、民法は皆さんの生活のルールです。知れば知るほど、そうなのかと思える面白い分野ですよ。
不動産売買やキャッチセールス、クレジットカード使い込みの取り消しなど、錯誤を問う事例はさまざまです
法学部では裁判事例を通じて、法律のどのようなルールを使うのが適切かを考える訓練を行い、物事を論理的に整理かつ多角的に考える力を養います。私のゼミでも、各回の発表担当者が裁判例を報告した後、全員で法的に着目すべき事実や、原告と被告双方の主張の内容を整理して、判決文の論理が妥当であるかを検討しています。難しそうに感じるかもしれませんが、逸失利益(損害賠償額)への判決など、実際に起こった紛争を取り上げますので、学生たちも興味深く取り組んでくれています。
最後は卒業論文を執筆。損害賠償額の性差について論じるなど、ジェンダー視点からの論文も少なくありません
法学は大学で初めて学ぶことのできる大人の学問で、民法には社会を経験してはじめて理解できるルールがたくさんあります。熱い気持ちで社会に生きる人々の生活を見つめ、法的な問題点を一緒に議論していきましょう。
家庭裁判所では成年後見申立の聞き取り業務を経験。それぞれ事情があることを強く実感したものです
略歴/関西大学法学部卒業後、関西大学大学院法学研究科博士課程後期課程私法学専攻 博士課程単位修得後退学。大学院在籍中に司法書士試験合格。大阪商業大学経営学部で講師として民法全般の講義を担当した後、京都女子大学法学部が設置された2011年4月より本学部に着任。大阪家庭裁判所参与員、京都家庭裁判所裁判所委員としての経歴有。
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