横浜市内にある下水処理場の設計や、工事の発注などを担当しています。普段はデスクワークが中心ですが、時にはヘルメットをかぶって建設現場に行くこともあります。下水処理場は数十億の予算と、年単位の時間をかけて造られます。また、数十年にわたって下水道機能を維持するためには、長期的な視野も欠かせません。スケールが大きい分、難しさもありますが「縁の下の力持ち」として市民の生活を支えられることに、大きな魅力を感じています。また、下水道施設に関するPR活動も、私たちの仕事のひとつ。下水道に関する最新技術や機器を展示・紹介する「下水道展」では、横浜のベイサイドエリアをめぐるスタンプラリーイベントを実施しました。
大学時代は「全国土木系女子学生の会」に所属していました。約30年前から活動している伝統ある会で、全国のどぼじょ(土木系女子学生)のネットワークをつくることを目的にしています。青森や名古屋など、様々な地域から集まったどぼじょたちと一緒に日本最大級のダムを見学したり、泥だんご作りを通して小学生に土木の楽しさを伝えるイベントにも参加しました。今も土木を学ぶ女子学生はあまり多くありませんが、当時の学科は、全体の9割以上が男子という環境でした。そのため女子同士の結束がとても強く、同級生や先輩方と卒業後も続くつながりを築けたことが、大きな財産になっています。
自分は何に興味があるのかを明確にして、それに間接的にでも関われる方法をじっくり探していくと、本当にやりたい仕事にめぐり会えると思います。私が横浜市職員という道を選ぶ最初のきっかけになったのは、横浜開港150周年を記念するイベント。ボランティアスタッフとして、来場者に水道水を配っておいしさをPRしたり、汚水を薬品できれいにする実験を行うなど、様々な活動をお手伝いしました。私はもともと環境問題や防災に興味があり、同時に地元・横浜の役に立てるような仕事に就きたいという思いがあったんです。そこに「水」という生活に欠かせない資源への関心が加わり、今の仕事につながりました。
横浜市役所 環境創造局 下水道施設部 下水道施設整備課/工学部 社会環境システム学科(現 理工学部 理工学科 土木・都市防災コース)/2011年3月卒/生まれも育ちも横浜で、横浜の街が大好きな須藤さん。横浜市役所は下水道の他にも道路や港湾、公園緑地など様々な施設の管理を行っているため土木の知識を生かして幅広い業務を経験できることが魅力だという。「ライフステージが変わっても土木の現場に立ち続けたいと思い、福利厚生が充実している公務員を志望しました。今後は下水道以外にも様々な業務を経験し、究めたい分野を見つけたいです。技術者として信頼を得るために、技術士国家試験も視野に入れています」と展望を語ってくれた。