研究テーマである「組み込みシステムソフトウェア」は、IoT(Internet of Things:自動車や家電など、身近な「もの」がインターネットにつながり、より便利に活用されること)システムとも呼ばれています。いわば、「パソコンの形をしていないコンピュータ」。こうした製品とパソコンでは利用環境が異なるため、リアルタイム性能や小型化、高信頼性など特殊な機能が求められます。一般の方の目にはつきにくい部分ではありますが、これらの機能をどのように開発していくかは、開発職であった当時、非常に難解なテーマであり、またやりがいを感じる部分でもありました。こうした経験を踏まえ、現在は「システム開発の喜びを伝えること」に重点を置いたゼミを展開しています。学生に対しては「指導者」ではなく「伴走者」であることを心がけています。
中本教授は「情報数学」をはじめ「情報システム入門」「データ解析入門」など、プログラミングを行う上で基盤となる授業を担当。ゼミは第1期生が3年生となる2026年から本格的に始動することとなります。「数学」は、高校での履修状況が学生一人ひとり異なるため、基礎からの学び直しに加えて授業支援システムなども活用した指導を展開。学生との関わりにおいて心がけていることは「相手に対するリスペクト」と教授。学生の志向を知り伴走するためには、一人の人として向き合い、考えと個性を尊重することが大切だといいます。
いろいろなものに関心を持ち、失敗を恐れないこと。外国語の修得にも挑戦し、ぜひ若いうちに海外経験を積んでほしい。多様な文化に触れることで、様々な物の見方があることを知り、視野を広げることができますよ。
専門分野/情報工学、組み込みシステムソフトウェア、オペレーティングシステム、ソフトウェア工学
略歴/大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程を修了後、日本電気株式会社(NEC)に入社し各種組み込みシステムのソフトウェア研究開発に従事。携帯電話に搭載するJava(TM)やLinuxをはじめ社員証や住基カードなどのICカード開発、工業用コンピュータ、宇宙ステーションのOS、H2Aロケットエンジン制御などに携わった。