体の動きを制御する脳のしくみを研究しています。スポーツをするとき、脳はどのように働いているのでしょうか。脳が活動を始めると、必要な酸素を届けるために、活動する部分の血流が増加します。私はそこに着目して、トッププロサッカー選手とアマチュア選手に足首を回す動きをしてもらい、その際の脳内の血流を観測しました。すると、プロの方が活動する脳のエリアが小さいことが分かりました。運動時の脳の活動を最小限に抑えることで、並行して他の運動を行えるようにしている可能性があります。プロの複雑なプレーを可能にする脳の工夫が見えてきました。最近は、運動能力の個人差、いわゆる運動神経の良し悪しの解明にも関心をもっています。運動時の脳の働きを観測することで、一人ひとりにぴったりなトレーニング方法が分かるかもしれません。
赤色が脳の活動エリア。左がトッププロサッカー選手で、右がアマチュア選手。
廣瀬先生が担当する『科学技術プログラミング演習』は、プログラミング技術の基本を学ぶ1年次の授業です。学生たちは、人工知能やデータサイエンスなどの分野で使用されているプログラミング言語について、実際に演習問題に取り組みながら学んでいきます。前半は、コードの意味を理解して自らコードを書けるようになることをめざします。後半は、プログラミングを用いた簡単なアプリの作成に挑戦します。学生や教員が積極的にコミュニケーションを取り、楽しく技術が習得できる授業をめざして、指導に取り組んでいるということです。
少人数クラスで丁寧に指導。学習に不安がある学生のために、授業時間外に質疑応答の時間を設けることも。
私たちは日々何気なく体を動かしています。しかし、体を適切に動かすためには非常に難しい計算が必要で、脳がどうやって実現しているかは解明されていません。この身近で難しい未解決問題を、一緒に考えませんか。
専門分野:認知神経科学、身体制御、脳機能画像解析
2021年より現職。
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