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横浜市立大学、抗がん剤の標的として重要なタンパク質の新機能を解明
2018/8/20
■DNAの「ねじれ」を解消し、抗がん剤の標的として重要なタンパク質の新機能を解明
熊本大学パルスパワー科学研究所の諸冨桂子特別研究員、矢野憲一教授、横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の斎藤慎太特任助教、足立典隆教授は、DNAの「ねじれ」を解消する働きを持ち、抗がん剤の標的として重要なタンパク質であるDNAトポイソメラーゼIIβの新しい生理機能を共同研究により解明した。
細胞内でDNAの「ねじれ」や「からまり」を解消する役割を担っているタンパク質「DNAトポイソメラーゼIIβ」は、エトポシドやドキソルビシンといった抗癌剤の標的分子であることからがん治療において重要な分子だ。
本研究グループは、パルスレーザーを使用して細胞中の狙った部位にDNAの切断を作り出す技術を利用することで、生きている細胞の中でDNA切断が生じるとDNAトポイソメラーゼIIβが素早く応答して切断部位に秒単位で集まる様子を観察することに成功した。
次にDNAトポイソメラーゼIIβの遺伝子を破壊したヒト細胞を作製したところ、この細胞はDNA損傷剤ブレオマイシンに対する感受性が上がり、DNA切断の修復メカニズムの一つである相同組換えの効率が低下していることを明らかにした。本研究はDNAトポイソメラーゼIIβがDNA切断に素早く応答してその修復に関与することを世界で初めて示す成果であるとともに、このタンパク質を標的とするがん治療の効率化や副作用低減を考える上で重要な新知見といえる。
本研究の成果は2018年7月9日に「Scientific Reports」に掲載された。
本研究は熊本大学パルスパワー科学研究所共同研究として実施。また文部科学省科学研究費補助金の支援を受けた。
■詳細リンク先(https://www.yokohama-cu.ac.jp/amedrc/news/20180718adachi.html)
熊本大学パルスパワー科学研究所の諸冨桂子特別研究員、矢野憲一教授、横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の斎藤慎太特任助教、足立典隆教授は、DNAの「ねじれ」を解消する働きを持ち、抗がん剤の標的として重要なタンパク質であるDNAトポイソメラーゼIIβの新しい生理機能を共同研究により解明した。
細胞内でDNAの「ねじれ」や「からまり」を解消する役割を担っているタンパク質「DNAトポイソメラーゼIIβ」は、エトポシドやドキソルビシンといった抗癌剤の標的分子であることからがん治療において重要な分子だ。
本研究グループは、パルスレーザーを使用して細胞中の狙った部位にDNAの切断を作り出す技術を利用することで、生きている細胞の中でDNA切断が生じるとDNAトポイソメラーゼIIβが素早く応答して切断部位に秒単位で集まる様子を観察することに成功した。
次にDNAトポイソメラーゼIIβの遺伝子を破壊したヒト細胞を作製したところ、この細胞はDNA損傷剤ブレオマイシンに対する感受性が上がり、DNA切断の修復メカニズムの一つである相同組換えの効率が低下していることを明らかにした。本研究はDNAトポイソメラーゼIIβがDNA切断に素早く応答してその修復に関与することを世界で初めて示す成果であるとともに、このタンパク質を標的とするがん治療の効率化や副作用低減を考える上で重要な新知見といえる。
本研究の成果は2018年7月9日に「Scientific Reports」に掲載された。
本研究は熊本大学パルスパワー科学研究所共同研究として実施。また文部科学省科学研究費補助金の支援を受けた。
■詳細リンク先(https://www.yokohama-cu.ac.jp/amedrc/news/20180718adachi.html)