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東北大学、住友商事と共同研究契約を締結
2024/1/18
東北大学は、リサイクル黄燐の国内製造に向けた住友商事と共同研究契約を締結した。~半導体原料である黄燐の安定供給を目指して~



【東北大学研究者情報】

〇未来科学技術共同研究センター

教授 長坂 徹也



【発表のポイント】

東北大学は住友商事と共同研究契約を締結した。

スラグ、廃酸、下水汚泥焼却灰などの未利用リン資源から回収したリン酸を原料に、黄燐を製造する実証実験を行い、製造技術の確立および商業プラントの設計・開発を行う。



【概要】

 東北大学は、半導体原料である黄燐(おうりん)(注1)の新たな製造技術確立および国内での商業生産に向けて、住友商事と共同研究契約を締結した。



 黄燐は半導体上の薄膜を加工する工程で使用される薬液の原料であり、極めて高い純度が必要となるため、代替が困難な物質。また黄燐の原料となる高品位のリン鉱石が偏在していることや特殊な操業条件が必要となることから生産国が限られており、日本は国内需要の全てを輸入に依存している。



 東北大学未来科学技術共同研究センターの石原真吾特任准教授、佐々木康学術研究員、長坂徹也教授は、スラグ、廃酸、下水汚泥焼却灰などの未利用リン資源から回収したリン酸を原料に、黄燐(リサイクル黄燐)を製造する研究を行っている。今後、東北大学および住友商事は複数回の実証実験を通じ、製造技術の確立および商業プラントの設計・開発を行う。



 リサイクル黄燐の製造技術確立および国内生産に向けた取り組みは、その重要性が認められ、経済産業省から半導体の安定供給の確保に係る取組として認定を受け、同省による事業費用の一部助成が決定している。東北大学と住友商事は、生活および経済活動を支える重要物資の安定供給を通じ、安全保障の観点からも市場の期待に応えていく。



【用語解説】

注1 黄燐:

原子番号15の元素である燐(Phosphorus)の同素体のひとつである。燐原子4個よりなるP4で表され、白燐と呼ばれる場合もある。電子産業等で用いられる高純度リン酸や、食品添加物、化学薬品等の原料として用いられ、その用途は非常に広く、一般的に高い純度が要求される。



■詳細リンク先(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/10/press20231023-02-recycle.html)
東北大学(国立大学/宮城)
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