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国立大学/東京・千葉・神奈川

トウキョウカガクダイガク

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東京工業大学、副産物ほぼゼロの特異構造のナノ粒子触媒による有用物合成
2018/7/13
【要点】
・副産物をつくることなく芳香族アミンだけを合成する触媒を開発
・エネルギー消費を3分の1に低減し繰り返し使用できる
・この触媒性能は特異的な構造によって発現する
 

【概要】

東京工業大学 科学技術創成研究院の原亨和教授、チャンドラ・デブラジ特任准教授らの研究グループは、「面心立方ルテニウムナノ粒子触媒(FCC?Ru)により、工業的に有用な芳香族アミンを副産物なく製造する方法を開発した。
この新触媒を使うと、芳香族アミンの製造で生じるエネルギーを3分の1まで低減できる。
 
研究グループではFCC?Ruについて、電子を与える力を弱めること、反応に寄与するルテニウム原子が多いことに着目した。
この新触媒は、副反応を完全に防ぐだけでなく、反応効率を3倍以上に高められる。このアプローチは、芳香族アミンの製造だけでなく、再生可能なバイオマスの利用に一石を投じると期待される。
 
医農薬、ゴム、ポリマー、接着剤、染料などの様々な化成品に使われる芳香族アミンは重要な化学品だ。
しかし、これらアミンを芳香族アルデヒド[用語3]原料から製造する還元的アミノ化では、従来の触媒では、電子を与える力が強く、芳香環の分解や副産物の生成を完全に防ぐことはできなかった。
このため、製品の製造に多大なエネルギーが必要となり、コストも押し上げていた。
 

【研究背景】

医農薬、ゴム、ポリマー、接着剤、染料などの様々な化成品に使われる芳香族アミンは工業的に有用だが、既存の触媒を使った製造法では副産物を多く出してしまい、コスト高を生じさせていた。
 

【研究成果】

研究グループは、「面心立方ルテニウムナノ粒子触媒(FCC?Ru)」という新たな新触媒を開発した。これは従来の触媒とは大きく異なった構造を持ち、芳香族アルデヒドの還元的アミノ化によって副産物を作ることなく、有用な芳香族アミンだけを合成できる。
今回、ルテニウムナノ粒子を容易につくる技術確立できたことで本成果を得ることができた。
 

【今後の展開】

今回開発した触媒は、芳香族アミン生産を限界まで高効率化するだけにとどまらない。
現状では、神経作用薬、抗がん剤などの医薬品、殺虫殺菌剤を含めた農薬、肥料、油脂、ゴム・ポリマー、バイオ航空燃料といった多くの化成品が遷移金属の還元触媒能力を利用して生産されている。
開発した触媒のベースとなっている新しい考え方や設計方針は、これらの化成品の生産を革新するポテンシャルを持つと考えられる。
 

■詳細リンク先(https://www.titech.ac.jp/news/2018/041833.html)
東京科学大学(国立大学/東京・千葉・神奈川)
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