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和菓子職人は、まんじゅうや羊かんなどさまざまな和菓子をつくる職人のことを言います。工場で大量生産され市販される和菓子も増えましたが、和菓子店では和菓子職人の手により、昔ながらの製法で一つひとつていねいに和菓子がつくられています。
和菓子は大きく「生菓子」「半生菓子」「干菓子」の3種類に分けられ、いずれも材料を選ぶことから始まり、練り・蒸し・焼きなどの技法をベースにさまざまな和菓子が生み出されます。伝統的な和菓子はもちろん、最近では店の個性が強く反映された創作和菓子の人気も高まっています。和菓子の味は素材に大きく左右されるため、素材選びと組み合せによってさまざまな味が作られるのがおもしろいところです。例えば「あんこ」ひとつでも、胡麻や味噌、柚子を加えれば風味が大きく変わるなど、食料をアレンジすることでバリエーションは無限に広がります。つくり手の味覚はもちろん、食材へのアンテナの高さや挑戦心、センスが問われると言えるでしょう。
また、和菓子は季節感を大事にしている食べ物です。扱う食材についての知識に加えて、日本の四季に関する知識も和菓子職人には欠かせないものです。味と見た目、両方の完成度を高めて、口にしてくれる人を満足させるのが仕事です。
和菓子をつくる
作業合間のおやつに、来客時のお茶請けに、和菓子はいつのときも人々の心をほっと和ませてくれます。和菓子職人は、見た目にも華やかで楽しく、おいしい和菓子をつくるために腕を磨かなければなりません。
和菓子づくりは、「餡(あん)炊きに始まり、餡炊きに終わる」と言われるほど難しいものです。一人前の和菓子職人になるまでには何年もの下積み時代があります。皮までやわらかい風味の良い餡をつくれるように、まずは「あんこ」づくりを学び、そのお店の伝統を引き継げるように、和菓子職人は和菓子をつくり続けます。
和菓子は日常的に親しまれているのはもちろん、さまざまなシーンを引き立てるのにも一役買っています。茶会に用いられる和菓子は「茶席菓子」、慶弔諸事の引出物に提供される菓子を「引菓子」、舞踊や長唄など和物の発表会にみやげ品とされるものを「まき菓子」と言います。伝統的な技法を用い、和の趣を現代の生活スタイルや様々な場面に合う小さな和菓子にして、人々に届けるのが和菓子職人の基本となる仕事です。
接客
でき上がった和菓子をお店で販売するのも和菓子職人の仕事の一部です。
お客さまがいつでもおいしい和菓子を手にとれるように、和菓子を店頭に並べます。和菓子は彩りや季節感が魅力のひとつ。すべての和菓子の魅力が引き立つように、陳列にも工夫をこらしている和菓子屋さんがほとんどです。
お店を訪れてくれたお客さまに対しては、お菓子の特徴を説明したり、贈答用か自宅用かなどを聞き商品をおすすめしたりする気配りも求められます。
ただ買ってもらうだけでなく、またお店に来てもらえるようにお客さまをよく観察し、好みを掴むことも必要でしょう。
魅力的な新商品の開発
和菓子は季節や自然の風物を表現した小さなお菓子。一つひとつが作品のようなものであり、つくり手の個性と感性が反映されます。
店頭に並ぶ和菓子は季節の移ろいとともにどんどん変化していきますが、毎年並ぶ定番の商品以外に、新商品を並べ、お客さまをハッとさせることも和菓子職人の仕事です。
新商品の開発には発想力やオリジナリティー、センスが求められます。和菓子に関する深い知識や製造技術を習得したうえでアレンジし、消費者の好みや味覚の流行、季節を掛け合わせて新しい和菓子をつくり出していきます。このようにつくられる和菓子は当然、つくり手の個性が込められています。自分のアイデアを生かすことができるのも和菓子職人の仕事のおもしろさでしょう。何度も試作をして、師匠や職人仲間に意見をもらい、商品を店頭に並べることができたときには、大きな達成感を得られます。
見た目の楽しさをデザインする
和菓子は見た目の愛らしさも大きな特徴です。
「手に取りたくなる」「眺めていたくなる」見た目を考えて、和菓子をつくることも和菓子職人の使命です。特に季節感の表現は重要になります。
梅雨の時期には紫陽花をかたどった和菓子、夏には涼しげな水ようかんや水まんじゅう、秋には栗きんとんなど、季節に合わせた創意工夫が大切です。
食べるのがもったいないような美しさや風情…。目で見て楽しく、食べておいしい。それが和菓子の世界なのです。
日本の伝統文化について学び、発信する
和菓子の美しさ、楽しさ、おいしさを伝え、その魅力や可能性を感じてもらえるように人々に発信していくのも和菓子職人の重要な役割です。
和菓子は日本の伝統的なお菓子。深く理解するためには、茶道をはじめ冬至や夏至といった二十四節気、俳句の勉強も欠かせません。
特に、和食が無形文化財の登録を受けたり、東京五輪を前に日本独自の文化が注目されたりするなか、海外からの和菓子への関心も高まっています。
ただつくって商品を並べるだけでなく、そこにある日本の四季の美しさや「わび・さび」といった日本の美学をきちんと伝えることが求められます。
若い世代に向けてや海外に向けて、和菓子を通して日本の伝統文化を広く発信することも和菓子職人の仕事の一つと言えるでしょう。
若い職人に技術を伝える
どんなに小さな和菓子店であっても、そのお店の看板商品があります。
伝統を守りつつもお店ごとのオリジナリティーが色濃く出る和菓子業界では、そのお店の伝統を受け継ぐ和菓子職人を育てることは腕のある和菓子職人がしなければならない仕事のひとつです。製造直販の和菓子店は家族経営であることも多く、後継者不足による廃業も少なくありません。
長く人々に親しまれている味を閉ざさないためにも、若い職人に技術を伝え、育てることは大切な仕事です。
和菓子職人として独立・店舗を経営する
多くの和菓子職人にとってのゴールは、自分のお店をもつことかもしれません。
独立開業するとなると和菓子職人としての腕だけではなく、経営の才覚も必要になってきます。製造の合間に経理などの事務仕事もしなければならず、忙しい毎日ですが、自分の作品=和菓子が多くの人に届くのはこの上ないよろこびでしょう。
和菓子職人になるには?
和菓子職人の仕事について調べよう!
和菓子職人の先輩・内定者に聞いてみよう
和菓子本科
文学部 国際文化学科(現:国際学部 国際文化学科)
製菓製パン科2年制
和菓子職人を育てる先生に聞いてみよう
製菓技術学科
製菓製パン科2年制
和菓子本科
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和菓子本科
パティシエ実践科