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レストランなどの調理スタッフとしてスタートした調理師は、その後どのような道筋でキャリアアップしていくのでしょうか。職場でキャリアを積むことはもちろん、他店に移って技術の幅を広げたり、独立して自分の店を開店したりと、調理師のキャリアステップにはさまざまな道があります。
他店に移る人や独立する調理師もいる
調理場でさまざまな経験を積み、調理師としての技量が上がってくると、調理や味付け、盛り付けなどの仕事をまかされるようになります。本人の努力と実力次第では、年齢に関係なく職場でのポジションや給与もアップしていきますし、若いうちからトップの料理長を目指すことも夢ではありません。
一方で、レストランなどの飲食店で基礎技術を身につけたあと、スキルアップを目指して他店に移る調理師もいます。店を移るメリットは、これまでと違う環境に身を置くことで、調理師としての技術の幅や視点が広げられる点です。
一口に飲食店といっても、その料理ジャンルや規模(席数)、コンセプトは多種多様。当然ながら、店によって調理師に求められるスキルは異なってきますので、さまざまな店舗で多様な仕事を経験することで、自分がめざしたい道を再発見する人も多いようです。
ある調理師もホテルのレストランでフレンチの基礎を学んだあと、「洋食店」、「和のダイニングバー」、「居酒屋」、「懐石料理店」と、店を移りながら自分に足りないものを養うなかで、本当にやりたいことが見えてきたと言います。
「最初はフレンチからスタートしましたが、さまざまな店舗での経験を通じて、自分には和食が合っていると気づいたんです。そして、料理にもお酒にも空間にもこだわりたいという思いから、独立して自分の店(全国各地の日本酒をそろえた和食店)を開店するに至りました」と話します。
このように、店を移りながら自分の道を拓き、オーナーシェフとして独立する調理師もいれば、一つの店で技術を磨きながら、トップのポジションを目指す調理師もいます。もちろん、どのようなキャリアステップにおいても、「食への興味と探究心」が不可欠となるのは言うまでもありません。
キャリアアップに調理師免許は必要?
調理師と名乗って仕事をするためには、国家資格である調理師免許が必須ですが、実は免許がなくても、料理・調理の仕事をすることや自分の店をもつことは可能です。調理師免許とは、調理の知識やスキルを身につけていることを証明する「名称独占資格(有資格者以外はその名称を名乗れない資格)」で、料理や調理の仕事をするうえで免許の取得は必須・義務ではありません
しかし、免許をもっていれば就職・転職の際や、給与面などでも優遇されますので、キャリアアップを目指すうえでも有利となるのは間違いないでしょう。また、独立して店を開店するためには「食品衛生管理責任者」の有資格者を置く必要がありますが、調理師免許には食品衛生管理責任者の資格が含まれていますので、自分で申請するだけでOKというメリットもあります。
上杉大介※2020年8月26日更新
調理師。株式会社杉六 代表取締役。高校卒業後、調理専門学校を経てホテル・居酒屋・懐石料理店等の様々な飲食業種で修行。調理技術と共に接客経営業務も経験後、2006年、28歳で独立開業。2011年、株式会社杉六設立。現在も「食(和食)」「お酒(日本酒・焼酎)」全て国産にこだわった業種を展開中
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