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適切な指導やケアを行うための知識や技術はもちろん、特にプロスポーツの世界においては常に結果が求められる立場になるため、プレッシャーに耐えうる強靭な精神力が問われます。
また、常に他者のために働く奉仕精神や、最新トレーニング理論を学び続ける向上心、トレーニング内容とその有効性を相手に理解・納得してもらうためのコミュニケーション力も欠かせません。「スポーツが好き」という気もちからスポーツトレーナーを志す人も多く、「好き」という気持ちはもちろん大切ですが、それだけではなく、自分なりのやりがいをみつけ、努力し続けることも重要です。
選手を第一に考えられること
スポーツトレーナーに課せられる最大のミッションは、選手が活躍し、勝利を手にするためのサポートをすることです。
そのために自身がもつ知識や技術、経験、そして時間のすべてを注ぎます。プロのチームや選手と契約する場合は、練習・試合・試合後の宿泊先に帯同するのはもちろん、オフの日であっても選手のトレーニングやリハビリに付き合うことが当たり前になります。仕事とプライベートの境目がほぼない状態になりますが、それが自身の役割だと自覚し、常に“選手を最優先”に行動することが求められます。
自分自身と向き合い続けることができるメンタリティ
選手やチームになかなか結果が出ない状態が続くと「こんなに頑張っているのになぜダメなんだろう?」「これだけやってあげたのにどうしてだろう」と言いたくなることもあるかもしれません。
そんな時に問われるのが、「自分に矢印を向けられるかどうか」という姿勢です。「指導する立場として、自分に何が足りなかったのか」「結果を出すために今必要なことは何か」を考え、自分自身がまず変わることで、選手の変化を促し、良い結果へとつなげてゆく…。自身の成長と選手・チームの成長は表裏一体だと理解し、自分自身を高め続けることが、周囲に信頼され求められるスポーツトレーナーになるためには不可欠です。
目先の結果よりも、その先のヴィジョンを描けること
スポーツトレーナーとして大成するには、結果やワンプレーのよろこびに慢心せず、さらに上を目指していく上昇志向が必要です。
例えば野球においては、まぐれのホームランよりもコンスタントにヒットを打てるなど、“安定性”“確実性”“再現性”の高いプレーが評価されることになります。それらを追求するためには、いい結果(ホームランやヒット)がもたらされた理由をしっかり分析して次回に生かせるようにさらに磨きこむこと、悪い結果の原因を突き詰めて改善のためのトレーニングを考案・実施することが大切になります。
結果に一喜一憂するのではなく、成長の機会ととらえ、次を考えた行動ができるかどうかがスポーツトレーナーに重要な資質といえるでしょう。
自分の頭で考え、自分の言葉で伝える力
「何を伝えるか」は同じでも、トレーニングする相手が違えば、適切な言葉や表現は変わるものです。例えば、日本一を目指しているJリーガーと、県大会の出場を目指す高校生では、ひと口に「走力をつける」といっても、求められるレベルや本人の熱量が違います。
ただ伝える、指導するだけではなく、どんなタイミングでどんな表現を用いて伝えると相手に深く刺さるのかを考えて実行することが、指導者としてのプロの仕事です。選手にトレーニングを意味のあるものと理解し実行してもらうためには、理論どおりのトレーニングや知識をそのまま授けるのではなく、その選手にとってどんなメリットがあるのかを説明してあげなくてはいけません。
そのためには、普段からありふれた言葉ではなく、自分自身の言葉で語る癖をつけておくことが大切といえるでしょう。言葉や表現をたくさんもっているトレーナーは「優秀な指導者」と言われ、トレーニングやコーチング中の言葉が“名言”として長く語り継がれることもあります。
「好き」で終わらせない覚悟
「スポーツが好き」という理由でスポーツトレーナーになったものの、「現場に出てみたら想像以上に重苦しい場面ばかり。もっと楽しく働けると思っていたのに…」と語る、若手スポーツトレーナーもたくさんいるそうです。
スポーツが好きで、スポーツに携わる仕事がしたいとスポーツトレーナーの世界に飛び込むのであれば、「好きだからこそ、どんな試練も乗り越えてやる!」といった、強い気持ちと覚悟が必要です。
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