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視能訓練士の1年目はどうだった?

視能訓練士の1年目はどうだった?

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視能訓練士の国家試験は2月中旬に行われ、3月後半に合格発表があります。そのため、4月から勤務を開始する人がほとんどです。医療機関によって1年めの視能訓練士の数や、教育方法はさまざまです。ここではとある視能訓練士の1年めの様子を見ていきましょう。

一人で検査ができるようになるには3カ月~1年かかる

一人で検査ができるようになるには3カ月~1年かかる

医療機関に就職してから最初の数カ月は、まずそれぞれの検査機器の取り扱いと病院・クリニック内の検査ルールを覚えます。眼底カメラや、自動視野計(GP)、眼位検査など、もちろん専門学校時代にすべて経験しているものの、実際の患者を相手に検査を行うことにはまだ慣れていません。最初は一人ではうまくできないこともあるため、先輩に見てもらいながら技術を習得していきます。診療後や休憩中に先輩に患者役をやってもらいながら練習することもあります。
そうして、さまざまな症例を経験していきます。就職して3カ月ほどは視力検査と眼圧検査という、難しくない検査を中心に実際の患者と接することに慣れていきます。徐々に、ほかの難易度の高い視野検査と眼位検査なども先輩のやり方を見ながらできるように目指します。すべての検査ができるようになるためには、病院やクリニックの教育方針や人員の余裕があるかどうかにもよりますが、3カ月から1年程度だと思います。人手が足りていないクリニックなどや、視能訓練士が自分しかいないクリニックではすぐに独り立ちしなければならないこともあります。

知識は国家試験で身についているが、実際の患者対応を覚えるのは1年め

視能訓練士として必要な知識はもちろん、専門学校でつけた知識をそのまま活用できます。しかし、視能訓練士に必要とされる技術は実際の検査で学びながら習得していく必要があります。
私はクリニックに就職して「実際の患者相手には機転がきかないといけない」ということを身に染みて実感しました。実際の患者相手には専門学校で習ったことだけでは対応が不十分となることが多くあるためです。例えば、まったく目が見えない人に対して、受付から検査室への誘導をする際にどのような声かけをするのが適切か、どのように検査内容についての説明をするかなどは、実際の患者に接するなかで考える必要に迫られます。
また、専門学校では「その患者のこれまでの病状をカルテのデータから読み解く」方法については習いません。自分がもっているすべての基本知識を応用しなければならない経験は、1年めに訪れる試練といえるでしょう。
また、検査結果について最初のうちは先輩に二重チェックをしてもらいますが、まったく正反対の結果になっていることもあり、とても落ち込みます。眼位検査は子どもが患者であることも多く、飽きずにやる気を出してもらうために苦労します。また、それぞれのお子さんの発育状況によって同じ年齢でもその検査ができるかどうかが異なるので、反応を見ながら可能かどうかを判断することも難しいと感じたことでした。

2024年9月更新
取材協力

松村みなみ

沖縄県出身。小さいころから生き物が好きで、大学も医療系大学に進学。発達障がいのお子さんが通う学童でアルバイトをしながら学生時代を過ごす。そのなかで視能訓練士を知り、大学卒業後視能訓練士科のある1年制の専門学校へ進学。視能訓練士として働いている。

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