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義肢装具は、事故や病気などで身体の一部を失ってしまった人、障がいを抱えた人が、身体の機能を代替・補完するために用いるものです。いわば患者さんの身体の一部を作る仕事であり、義肢装具士には、患者さん一人ひとりにベストな義肢装具を提供するための技術と知識、そして患者さんが義肢装具を用いてスムーズに社会復帰できるようにするためのケアが求められます。
手先の器用さはあると有利にはなりますが、それよりもものづくりが好きであることや「患者さんのために」という強い気もち、探究心や創意工夫、そして何より患者さんが求めるものを正確に聞き出すコミュニケーション能力や、信頼を得るための人柄が問われることになります。
また、義肢装具は年々新しい技術が開発される分野になるため、ほかの医療職と同様、働き始めてからも研鑚を積んで自身の知識と技術をアップデートし続ける努力が不可欠となります。
ものづくりが好き
義肢装具士は、義肢や装具を作るプロフェッショナルです。技術向上のためには、「ものづくりが好き」という気もちも必要となるでしょう。採寸や採型、組立、調整と義肢装具づくりはほとんどが手作業となります。
数ミリの仕上がりの違いが使い心地を左右することになるので、一つひとつの作業をていねいかつ確実に仕上げることが求められます。
自分で考え、創意工夫できる力
義肢装具づくりにはある程度決まった工程や類似するケースはあるものの、まったく同じ義肢を作るということはなく、常に使う人に合わせた柔軟な対応が求められます。
患者さんがその仕上がりに満足のいく義肢装具を仕上げるためには、細かな微調整が欠かせませんし、これまで対応したことのないケースであっても試行錯誤を繰り返しながら“よりよい”を追求していく姿勢が大切になります。
努力を積み重ねられる根気強さ
はじめから完璧な仕事ができる人がいないのはどの業界も同じですが、義肢装具士もはじめからいいものが作れるということはありません。
養成施設でも現場で働き始めてからも、経験者から学び、時間をかけて地道にそのコツを身につけていくことになります。実際の患者さんとのやりとりの中で、何十回もやり直しや調整を求められることもあるなど、相手が納得してくれるまで何度でも作り直す、粘り強さと根気が問われる仕事でもあります。
また、義肢装具は年々新しい技術が開発される分野になるため、ほかの医療職と同様、働き始めてからも研鑚を積んで自身の知識と技術をアップデートし続ける努力も必要不可欠となります。
コミュニケーション力
ものづくりの職人という印象の強い義肢装具士ですが、実際は工房に籠って作業をするだけでなく、医師や患者さんと直接対話をすることが役割の大部分を占めています。
義肢装具を必要とする患者さんから義肢や装具を用いてどんな生活を送りたいかをきちんとヒアリングし、目的に合ったものを作るためには、意思疎通をスムーズに図れることが重要になります。
また、突然手足を失ったり障がいを負ったりしたことによるショックが大きく心を閉ざしてしまっている患者さんも少なくないため、義肢装具士にはうまく距離を縮められるような慎重かつ思いやりのあるコミュニケーションも必要です。
最近では色や柄をつけた義肢装具も登場しており、そういった提案で患者さんの気もちを少しでも明るくするような心遣いも大切になるでしょう。
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