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カウンセリングをする際にある心理カウンセラーが心がけているのは、平常心をもつことです。同感せずに共感することが大切。その理由はどのようなことでしょうか。また、カウンセリングでは声の高さにもこだわっています。その意味についても説明しましょう。
平常心を保つことが大切。話し方も工夫する
常に心がけているのは平常心だと言います。体調や気持ちをニュートラルに保つことを心がけているそうです。話すことは生活していくうえでは日常のことでもあるので、日常のかかわりとの境界が難しい部分がありますが、心理カウンセラーとして仕事と普段の生活との境界をしっかり引くことが大切なのだそう。逆に、切り替えられないと仕事にはならないと言います。友人と話をしているのと同じようにしていては、カウンセリングではなく単なるおしゃべりになってしまうからです。
声の出し方にも気を遣う
仕事モードでは声の出し方も違うそうです。カウンセリングのときにゆっくり、間を開けて、少し低めの声で話すのは、対面や少人数で話すとき、高い声は相手に受け取りにくい傾向があるからとのこと。特に女性は、改まったり、緊張したり、気取りたいときは高い声になることが多く、気持ちのやり取りには不向きだそう。
昔は電話の対応で女性は高い声を張るのが一般的でしたが、それは電話の性能が悪かったせいなので、今は必要がなくなったと言います。高い声でキンキン話されると相手は疲れてしまうので、声が低いほうが警戒心を抱きにくいし、安心しやすいとも言われているのだとか。ハキハキしているカウンセラーや、元気がありすぎるカウンセラーがいたら、ちょっと敬遠しますよね。大勢の前で話すときは声を張る必要がありますが、カウンセリングでは無理してハキハキ話すことや大声を出す必要はないのだそうです。カウンセリングでは若干高さを落とした低い声で落ち着いて話すことが求められるとのこと。音に過敏な方もいるので、気を付けたいポイントなのだそうです。また、ゆっくり話すことも重要です。
心の安定を保っていないといいカウンセリングはできない
さらに、カウンセラーとして中立の立場を保つためにも、自分に問題を抱えている場合は早く解決するように心がけるのだそうです。自分に何かトラブルがある場合は人の話を聞くことが難しくなるからだとのこと。同じような問題を抱えている人のカウンセリングをすると、アドバイスをしてしまいやすくなると言います。
例えば、親子問題に悩んでいる人が親子の相談を受けてしまうと、のめり込んでしまいがちで、まるで自分のことのように肩入れしてしまうことがあるのだそう。すると、自分の思いを押しつけてしまいがちになるので、もはやカウンセリングではないと言います。カウンセリングは共感することで話を進めますが、同感やアドバイスは避けなければならないそうです。カウンセリングでは、相手との一定の距離感が必要だからです。人間ですから、悩みがゼロということはないはずですが、カウンセラー自身の問題がある場合はなるべく早く解決に向かうようにするべきなのです。
また、気分転換や心を満たすために、好きなものを食べるのはいいことだと言います。食事は栄養素を摂る意味では重要ですが、心が満たされることも大切なのだそうです。ある心理カウンセラーの場合は、甘いものを食べて、幸せな気分で心の安定を保っていると教えてくれました。
大野萌子
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事、企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関等で年間100件以上の講演・研修を行う。著書、メディア出演多数。
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