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歯科技工士の仕事内容

歯科技工士の仕事内容

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歯科技工士は、歯科医師が作成した指示書を基に入れ歯、歯の被せもの、歯の詰めもの、矯正装置などの製作・加工、修理を行います。製作する歯科技工物は、大きくは二つに分類されます。一つは、虫歯などを削った部分を回復するための詰めもの(インレー)や被せもの(クラウン)。もう一つは、歯を失った場合に装着する部分義歯(パーシャルデンチャー)や総義歯(フルデンチャーまたはコンプリートデンチャー)です。また、国で金額が設定されている「保険治療」と歯科医院が独自に値段を決めてよい「自由診療」のどちらの技工物かによっても、使う素材などが異なります。近年、スポーツにおける歯科の重要性がますます高まっており、歯を守りパフォーマンスの向上を目的としたマウスガードの製作も増えてきました。失われた顔や体の一部を、人工の材料を使って形態などを補うエピテーゼの製作に携わる歯科技工士もいます。

保険適用の技工物の製作

歯科技工士が作る歯科技工物のおよそ7割から8割が保険適用の技工物です。詰めもの(インレー)や被せもの(クラウン)、入れ歯(デンチャー)にはそれぞれ、金属やプラスチック、セラミックなどさまざまな材料がありますが、保険適用の歯科技工物の場合は使用できる材料が細かく定められています。例えば、前歯は見た目を白くするためにプラスチックを使用することができますが、奥歯などは基本的には金属のみが認められています。保険適用の技工物はひとつあたりの価格が抑えられているため、歯科技工士には短時間でより多くの歯科技工物を製作することが求められます。

自由診療の技工物の製作

歯列矯正などで使用される矯正装置やインプラント義歯、審美つまりは見た目の美しさをプラスした技工物などは保険適用外(自由診療)となります。審美歯科の需要の高まりを受け自由診療の技工物は年々増加しており、ジルコニアやセラミックといった材料を使い、本物の歯と見分けがつかない歯科技工物を製作します。自由診療の場合、治療の工程に仮歯の製作が加わります。仮歯で一定の期間生活をしてもらい、噛み合わせなどの不具合を微調整し、必要があれば何度も仮歯を製作します。また、自由診療の技工物で大切になってくるのが「色」の再現性。患者と対面もしくは写真から歯の色を把握し、忠実に再現していくことに多くの時間を費やすことになります。自由診療の技工物を製作する歯科技工士には、美的センスも必要です。

CAD/CAMでの技工

CAD/CAMの登場により、歯科技工作業のデジタル化は加速しています。CAD/CAMとはスキャンで模型を読み取り、コンピュータでデザインを作成し、作成したデザインを機械で切削・加工して技工物を製作するシステムのこと。3Dプリンタによって製作された技工物の最終微調整を歯科技工士が行います。これまで、CAD/CAMは自由診療の技工物のみに使用されていましたが、2020年からは条件付きでほぼすべての歯の技工物に保険適用できるようになりました。これから歯科技工士になるのであれば、CAD/CAMの知識、扱いは必須となるでしょう。

歯のプランニング

知識と技術に長けた歯科技工士になると、患者の歯を最良の状態にするにはどうすればいいのかを歯科医師に提案するプランニングから行います。自由診療の場合、歯科技工物や材料は豊富な選択肢のなかから選ぶことができるため、どの歯科技工物をどんな材料で作るのかを示しながら、ベストな治療計画を歯科医師と連携して立てていきます。

マウスガードの製作

スポーツにおける歯科の重要性がますます高まっています。2011年に施行された「スポーツ基本法」でも、「歯学」「マウスガードの着用の効果等の普及啓発を図ること」が明記されました。スポーツによる外傷を未然に防ぎ、パフォーマンス向上に効果があるとも言われるマウスガードを、歯型と噛み合わせにぴったり合うよう製作します。マウスガードの需要は伸びており、マウスガード製作専門と看板を掲げる歯科技工士もいます。

エピテーゼ

生まれつき、または、病気や事故によって失われた顔や身体の一部を、人工の材料を使って形態などを補う方法をエピテーゼと言います。保険適用されるエピテーゼの製作には義肢装具士が当たりますが、製作方法や使用する材料、器材などが歯科技工作業と共通しているものが多いため、保険が適用されないエピテーゼの製作には歯科技工士も活躍しています。

2024年9月更新
取材協力
ハナキューデンタルラボ 代表 三浦大輔さん

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