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義肢装具は一人ひとりに合わせてオーダーメイドで製作するものであり、機械などで大量生産できるものではないため、専門の知識と技術をもった人間の力が必要とされます。
悲しいことではありますが、事故や病気などで手足を失ったり障がいを負ったりする人がいる限り、義肢装具士の仕事の需要がなくなることはないでしょう。
また、義肢装具士は国家資格保有者が全国に5000人ほどしかいない珍しい職業ということもあり、医療・リハビリの現場では非常に重宝される人材です。近年では、スポーツ用の義手義足、電子制御によってよりスムーズかつ自由な歩行を実現するインテリジェント義足、繊細な作業を得意とするロボットアームなどのより高度な義肢の研究開発も進められており、義肢装具士の存在が「不可能を可能にする」シーンがいっそう増えていくと期待されています。
ニーズに対してまだまだ数が不足
義肢装具士になるための勉強ができる養成施設は、全国にわずか10校のみ(2017年5月現在)。また資格保有者も約5000人と、10万人を超えると言われる理学療法士や7万人を超えると言われる作業療法士と比べると、まだまだ数が少ないのが現状です。
一方で、いつの時代も義肢を求める人は一定数存在し続けるため義肢装具士の需要が減ることはなく、生活習慣病を原因に手足の切断を余儀なくされる人が少なくない現代においては、義肢装具士のニーズはむしろ高まっていくことが予想されます。
そのため、義肢装具士はどの現場でも重宝され、一人ひとりに課せられる役割も大きくなります。自身が出した成果がこの職業全体の認知度や評判を高めるきっかけになると言えるでしょう。
研究開発が進む分野
義肢装具製作は、義肢を用いる人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)向上のために必要な技術とその具現化の方法が現在進行形で考えられている分野です。
歩行の可能性を広げるインテリジェント義足やより緻密な作業を可能とするロボットアームのほか、より速く走れる義足の開発もその一例です。現状、最新テクノロジーを主に用いた義肢は、一般社会に流通するには価格面などでまだまだクリアするべき課題があります。
今後、用いる人のメリットを最大限に追求した着地点をみつけ出すことが義肢装具士に求められていくでしょう。
活躍できるフィールドの拡大
近年、スポーツの現場や発展途上国などにおける義肢装具士の活躍が聞かれるようになってきました。スポーツ用義肢の開発に情熱を燃やす義肢装具士やスポーツ選手に帯同して試合のサポートをする義肢装具士、国内にとどまらず海外へも赴き、戦争などによって身体の一部を失った方のためにボランティアで義肢をつくり続けている義肢装具士もいます。
義肢装具士が活躍できるフィールドは、医療・リハビリの現場からさらに外に広がっていると言えるでしょう。
スポーツ用義肢への需要の高まり
義肢を使用してスポーツを楽しむ人、また、パラリンピックなどの国際大会で活躍する人が増えてきたことから、スポーツ専用の義肢の性能向上が広く求められるようになってきました。
スポーツ用義肢といってもその種類はさまざまで、陸上用・水泳用・自転車用・スキー&クロスカントリー用・ボート用の義足、陸上用・野球用の義手など、それぞれのスポーツの特性に合わせた義肢の開発が進められています。
社会の多様化が進み、障がい者スポーツにも社会の注目が集まる中、スポーツ用義肢は今後も大きく発展していく分野になると考えられています。
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