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臨床工学技士の仕事内容

臨床工学技士の仕事内容

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病院やクリニックなどで、人工呼吸器や人工心肺装置、人工透析装置など、患者の命にかかわる医療機器(生命維持管理装置)を、医師の指導のもとで操作し、その機械類の保守・点検を行うのが主な仕事です。
一般的には、CE(クリニカル・エンジニア)やME(メディカル・エンジニア)とも呼ばれ、高度な医療機器を備えた病院の手術室や集中治療室(ICU)、人工透析を専門に行う透析クリニックなどでは、欠かすことのできない医療スタッフです。
また、医療機器メーカーなどにも臨床工学技士の資格と経験を生かした仕事があり、営業担当者をサポートする、アプリケーションスペシャリストという業務も注目されています。

法に定められた仕事

臨床工学技士法では、「臨床工学技士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作および保守点検を行うことを業とする者をいう」と定められています。ちなみに生命維持管理装置とは、人工心肺装置、人工透析装置、人工呼吸器などです。

医療機器の操作が主な業務

臨床工学技士の業務は、「臨床工学技士基本業務指針2010」(臨床工学合同委員会)に指針が定められています。これによれば、いずれも医師の指導のもとに医療機器の操作を行い、機械のメンテナンス・管理なども行います。

①呼吸治療業務:肺の機能が働かなくなり、呼吸が十分にできなくなった患者さんに、人工呼吸器を装着し、安全に装置が使用されているか、異常がないかなどを確認します。

②人工心肺業務:心臓手術の際に、心臓や肺に代わる働きをする体外循環装置(人工心肺)を操作・管理します。

③血液浄化業務:体内に貯まった老廃物などを排泄あるいは代謝する機能が働かなくなった患者に行う治療で、主に人工透析における穿刺(血管に針を刺す)や人工透析装置の操作を行います。

④手術室業務:手術室に置かれた多種多様な医療機器の操作や事前の管理を行います。

⑤集中治療業務:心臓や頭などの手術をした後の患者さんや、呼吸・循環・代謝などの機能が急に悪くなり、命にかかわる患者さんを集中的に治療する現場(ICU)で、人工呼吸器や持続的血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作や管理を行います。

⑥心血管カテーテル業務:心臓や血管に細い管(カテーテル)を入れて圧を計ったり、造影を行う業務です。心臓病の診断に欠かせない検査が中心ですが、緊急を要する患者さんの場合には、補助循環装置やペースメーカーなどを操作することもあります。さらに最近は、心臓の拍動リズムに異常をきたす病気に効果的なアブレーション治療(足の付け根などの太い血管からカテーテルを入れて、心臓内部の不整脈の原因となっている部分を高周波電流で焼き切る)における臨床工学技士の役割が重要となっています。患部を特定する心臓の「3Dマッピング」画像が助けとなって、治療効果があがっています。

⑦高気圧酸素業務:高い気圧の環境下で酸素を吸入することで、血液中の酸素を増やす高気圧酸素装置は、さまざまな疾患の治療に用いられていますが、その操作を行います。

⑧ペースメーカー、ICD業務:不整脈に苦しむ患者さんが装着するペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)などの機器を体内に植え込む手術の際、機器の管理や操作を行います。

⑨医療機器管理業務:病院など医療施設のさまざまな分野で使用される医療機器を、安全に使用できるように、また、機器の性能が維持できるように、保守・点検を行います。さらに医療機器を一括管理し、効率的で適切な運用ができるようにしています。

病院による仕事の違い

大学病院や総合病院、赤十字病院では、上記①?⑨のほぼすべての業務が行われています。配属された部署によって、業務内容は変わります。
透析クリニック(病院)などでは③と⑨の業務を行います。
循環器の専門病院では④⑤⑨の業務を主に行います。
筋疾患や神経疾患の専門病院では①と⑨の業務を主に行います。

アプリケーションスペシャリスト(営業サポート)として

医療機器メーカーで、臨床工学技士としての専門知識と経験を生かして働きます。自社の医療機器の使用を検討している病院やクリニックなどの医療機関で、機械の扱い方や製品説明の実演などを行う仕事です。


取材協力:公益社団法人 日本臨床工学技士会

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