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看護師の就職先・活躍できる場所は?

看護師の就職先・活躍できる場所は?

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主な就職先は、病院やクリニック。ちなみに医療法により、病院は「20床以上の入院施設をもつ医療機関」、クリニックは「無床もしくは19床以下の入院施設をもつ医療機関」とそれぞれ定義されています。入院施設があるかどうかによって勤務スタイルや仕事内容は変わってきますし、所属する診療科によっても担当領域は異なります。最近では、高齢化に伴って、介護施設や訪問介護サービス会社などに就職して働く看護師も増えています。ほかにも、保健所、児童福祉施設、企業の健康管理室などで活躍する看護師もいます。

病院・クリニック

入院施設がある病院やクリニックは、24時間365日休みのない医療現場。そこで働く看護師の勤務スタイルも不規則になりがちです。日勤のほか夜勤や当直などもローテーションで担当するため休める曜日もまちまちです。入院施設がない病院やクリニックの場合は、多少の残業はあったとしても、労働時間は規則的です。休診日も曜日によって決まっており、土曜の午後・日曜・祝日も休診の場合が多いため、私生活のスケジュールが立てやすくなります。
規模の大きな病院にはさまざまな診療科があり、救急外来や手術にも対応するため、看護師が活躍できるフィールドも広く用意されています。病院内での配置換えもありますので「さまざまな診療科で経験を積みたい」「いろんな人と出会いたい」という人にはおすすめの就職先です。逆に小さなクリニックの場合は「小児科」「産婦人科」など専門科が決まっている場合も多いので「この科で働きたい」というピンポイントな希望がある人に向いているでしょう。ちなみに病院の設立母体は「国」「公的」「私的」の3つに大きく分かれます。

○国立病院:開設者は厚生労働省や国立大学法人など。地域のモデルとして、最先端医療を担う比較的大規模な病院が多い。
○公的病院:都道府県や市町村、日赤、国民健康保険組合などが開設。一般的な治療から高度医療まで幅広く手がけ、地域医療を支えている病院が多い。
○私的病院(民間病院):学校法人、医療法人、社会福祉法人、また地域住民の基金によって設立された病院。全病院数の中で圧倒的な数を誇る。国や地方自治体の援助はほとんどなく、創始者の理念に基づいた医療を提供する。

このように、病院によって担う役割は少しずつ異なっており、特に私的病院の場合は創始者の理念によって病院の方針が大きく変わってきます。働く場所を選ぶ際には「母体はどこか」「医療理念や方針はどうなのか」にも着目してみると、実際に働き始めてから理想と現実のギャップに悩むことが少なくなるかもしれません。

高齢者介護施設

高齢者介護施設の数や入居者数は年々増加。それに伴い、老人ホームで働く看護師へのニーズも高まりを見せています。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・介護老人保険施設の場合は、入居者の人数に合わせて看護職員の配置基準が決められているので、一定の求人が発生します。 病院やクリニックとの違いは大きく3つで「高度な医療処置は行わない」「医師は常駐しないことが多い」「夜勤や残業が少ない」といったことが挙げられます。仕事内容としては体調チェックや服薬管理など、入居者の健康管理がメインになり、高度な処置を求められることはまずありません。医療行為が必要な場合には、付き添って病院に行くまでが老人ホームで働く看護師の役割になります。病院勤務に比べると時間に追われることも少なく、介護職員のサポートや、入居者の話し相手などの役割を担うことも多くなります。ただ、医療行為が少ないとはいえ高齢者の場合は体調の急変もあり得るため、その場合は救急車を呼ぶかどうかの判断や応急処置を行わなくてはなりません。医師が常駐していない場合も多いので、看護師が先頭に立って迅速かつ的確な判断を下す必要があります。

訪問看護サービス

病気や障害などを抱えながら自宅で療養を行う患者さんを訪問し、主治医の指示(訪問看護指示書)に従って、診療の補助や療養生活のサポートを行います。在宅で療養やリハビリを行う高齢者も増えているため、老人福祉施設で働く看護師同様、需要が伸びている分野になります。訪問看護の仕事に携わりたい場合は、訪問看護サービスを行っている病院やクリニック、訪問看護ステーションに就職することになります。

保健所・健診&検診センター

都道府県・市町村にある保健所や保健センター、健診&検診センターでの看護師の仕事は「病気を治す」のではなく「病気を予防する」のがメイン。健康に関する相談・指導のほか、健康診断や予防接種の介助などを通して、赤ちゃんや子ども、妊産婦、老人まで、あらゆる地域住民の健康な暮らしをサポートします。夜勤がなく勤務スタイルが安定していることもあり、就職先としては人気がありますが「保健師」の資格が必要になる場合もあるため、看護師の求人が多いわけではありません。

保育園・幼稚園

2007年に厚生労働省が私立認可保育園への看護師の配置を促進し始めたこともあり、保育園や幼稚園で働く看護師の数は、以前に比べて増加傾向にあります。看護師の仕事は「健康管理責任者」として園児の健康管理、病気や怪我の応急処置、病院への搬送判断、インフルエンザなどの感染症予防や衛生管理など。施設ごとに1人しか看護師を配置しない場合もあるので「誰かに指示を仰ぐ」のではなく「自分で判断する」ことがほとんどです。その責任の大きさにやりがいを感じるという看護師も多いですが、子どものお世話をしたり遊び相手になったりと保育士の補助に入ることもあるので、看護業務だけに専念できる環境でないことは理解しておきましょう。

企業

企業内の医務室・健康管理室に勤務し病気・怪我の応急処置を行います。また、健康診断の結果に応じて社員に健康指導をするほか「仕事のストレス」に悩む従業員のメンタルサポートに入るなど、従業員一人ひとりが抱える問題に向き合い、一緒に解決を目指していきます。平日勤務&土日休みで夜勤や残業もないことが多いため「規則的な働き方がしたい」と考える看護師に人気のある職場です。

ホテルやデパート

あまり馴染みがないかもしれませんが、ホテルやデパートの医務室にも看護師が配置されています。いずれも、お客さまの病気・怪我の応急処置、病院への搬送判断などが主な仕事になります。また、企業で働く看護師と同じく、従業員の健康管理を看護師が担当することもあります。

働く場所によっては、「保健師」「助産師」へのステップアップも視野に

看護師が活躍できる場はこのようにたくさんありますが、働く場所によっては看護師+αの資格が求められる場合もあります。例えば産婦人科で働く場合は「助産師」が、保健所や企業で働く場合は「保健師」が採用にあたって優遇されるなど…。看護師として採用された場合でも「保健師」「助産師」とは担当できる仕事の範囲や給与などの待遇面でも違いが出てきますので、看護師として働きながらステップアップを目指している先輩看護師も少なくありません。

取材協力・監修

岡田千夏※2020年9月3日更新

腎臓内科病棟・人工透析外来・精神科/心療内科病棟・介護施設等勤務を経て、現在はライフワークバランスに合わせて、地域にお住まい・お勤めの方のためのニーズに応じた地域医療に貢献する皮膚科クリニックで7年目。看護師長としてスタッフへの教育を通して看護レベルを底上げしたり、クリニック全体の動きを意識することで、地域の患者さんの生活の質の向上に携わることができる環境に感謝とやりがいを感じ、そこから学び自分らしい生き方を追求している。

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