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常に人とかかわって仕事をするのが手話通訳士です。そのため、「人が好き」「人とコミュニケーションをとることが好き」という人が向いています。また、手話通訳するうえでは、会話をする人たちに対して中立な立場で思いやりの気持ちをもって接することが大切です。
両者が話をきちんと理解できているかにも注意を払い、もし理解できていないようであれば必要に応じてケアをするなど、状況を把握して瞬時に判断する力や、相手が不快に感じないようなコミュニケーション力も必要です。
人とかかわることが好き
手話通訳士は、手話通訳によって人と人をつなぐ仕事です。常に人と接する仕事であるため、「人が好き」という人に向いているといえるでしょう。病院での手話通訳など、時には命にかかわる重大な話に立ち会うこともありますが、結婚式など笑顔があふれる場で手話通訳することもあります。人生のあらゆる場面に立ち会う仕事なので、「人が好き」という人にとってやりがいのある仕事となるでしょう。
思いやりの気持ち
人と人とをつなぐ仕事だからこそ、人の気持ちを思いやる心が大切になってきます。例えば、話が理解できていなくても「わからない」と言うことが相手に対して申し訳ないと感じ、「わからない」と言い出せない聴覚障がい者もいます。手話通訳士は、聴覚障がい者の性格や表情などから汲み取り、「わからない」という本心を引き出したり、会話をしている相手に「ちょっとわからない顔をしている」という情報を伝えたりして、聴覚障がい者が深く理解できるようにサポートすることも。言葉の理解力なども人によって異なるので、その人に応じてどこまでの説明が必要なのかを瞬時に判断する力も必要です。
また、聞こえづらさのない人のなかには、聴覚障がいや手話についての知識があまりない人もいます。そのような人を相手に手話通訳する場合には、聴覚障がいに関する情報を伝えながら良好な関係を築けるようにケアをしていきます。
相手を思いやるコミュニケーションがとれるかどうかも、手話通訳士にとっては重要なことなのです。
人の役に立ちたいという気持ち
手話通訳士は、聴覚障がい者のコミュニケーションをサポートする仕事です。また、聴覚障がい者の相談役となって聴覚障がい者と関連団体とをつないだり、適切な援助を行ったりもします。「誰かのために」という気持ちを大切にする人や、「困っている人を助けたい」という気持ちの強い人にとっては、やりがいが大きく向いている仕事といえるでしょう。
相手の言葉や気持ちを把握する力、表現力
同じ言葉であっても表現のしかたや言い方によって相手に与える印象が変わることがあります。手話通訳士は、聴覚障がい者の意図や気持ちをきちんと汲み取り、聴覚障がいをもたない会話相手に正確に伝えなければなりません。
また、同様に、聞こえづらさのない人の言葉の意図や気持ちを理解しながら、正確に手話に変えて聴覚障がい者に伝える必要があります。
手話通訳を介すことで歪んだコミュニケーションになってしまっては意味がありません。微妙なニュアンスや言葉遣いなど、瞬時にその場に合った適切な言葉を選んで通訳していきます。
これはとても高いスキルですが、日本語の言語感覚を磨き、積極的に手話通訳の経験を積んでいくことで身につけることができるでしょう。
集中力
話を正確に聞き取って通訳するためには、かなりの集中力が必要となります。活躍の場も幅広いため、専門的な話を手話通訳することも多く、その分野の知識も求められます。
仕事の内容によっては手話通訳が長時間にわたることもあるだけでなく、舞台上で立ったまま手話通訳をすることも。身体的にも精神的にもハードな仕事をこなすために、高い集中力は欠かせません。手話通訳が身体的にハードというイメージはあまりないかもしれません。しかし、長時間にわたって指先や腕を使い続けるため、頸肩腕症候群という首から肩・腕・背中などにかけて痛みやしびれを感じる症状が出ることもあり、腕を動かせなくなるほど重症化する人もいるといいます。
手話通訳士の健康管理をケアする必要性も指摘されるほど、身体的にも大変な仕事なのです。