• スタディサプリ 進路(大学・専門学校)
  • 仕事・資格を調べる
  • 保育・教育
  • 僧侶
  • 楽しいことと大変なことを教えて!
僧侶の楽しいことと大変なこと

僧侶の楽しいことと大変なこと

全国のオススメの学校

僧侶にとって、楽しいことやうれしいこと、また、苦労したことや大変なことには、いったいどのようなことがあるのでしょうか。笑ったり泣いたり怒ったりする生身の人間でありながら僧侶としてお通夜や法要など人の生死に向き合う中で、ある僧侶が感じたことについて紹介します。

檀家さんを見守り、一緒によろこべる

お盆やお彼岸などで檀家さんにお会いすると、結婚したり、子どもが生まれたり、孫を連れてきたりと、家族構成が変わっていく節目に出会います。それは僧侶としてもとてもうれしいことであり、楽しいと感じます。
ある檀家さんの七回忌の法要では、その方が亡くなった時に赤ちゃんだった女の子が小学校に通っていました。「おばあちゃんが亡くなった時はあんなに小さかったのに、もうこんなに大きくなったんだ」という驚きとうれしさがこみ上げます。その子の記憶にはないおばあちゃんの話を、自分が覚えている範囲で話してあげることができました。
また、シングルマザーとして育てた息子さんがすっかり一人前になり、その息子さんがお母さんと一緒にお父さんのお墓参りに来たことがあります。墓前で手を合わせて、就職の報告をしている姿を見ると、なんとも頼もしく、その頑張りにうれしさを感じずにはいられません。女手一つで育てたお母さんの頑張りとそれに応えた息子さんの頑張り。自分が頑張ったわけではありませんが、本当によく頑張ったねと一緒によろこんであげられることがうれしいのです。
檀家さん一家の成長を長い目で見守ることができるのも、僧侶の楽しみの一つだと言えます。

悲しいことにどう向き合うのか

よく知っている檀家さんやその家族が亡くなるのはとても悲しいことです。顧客というよりは親戚のような、仲のいいおじいちゃんやおばあちゃんのような気さえします。そんな人たちから辛い時に頼ってもらえるのは信頼されている証であり、僧侶として一緒に悲しい時間を過ごし、寄り添うことが大切だと感じます。
お通夜や告別式が僧侶の役割とはいえ、仕事として割り切ってやることはなかなか難しいものです。もしこれが本当に悲しく感じることなく、ビジネスとしてできるようになったら、僧侶はやめたほうがいいかもしれません。
僧侶の役割には意味があります。成仏させるということよりも、遺族と一緒に悲しむことや辛い気持ちを受け止めることです。相手の話をじっくり聞いて、そうですねと受け止めることが大切なのです。
それは亡くなった直後の葬儀だけではありません。四十九日はもちろん、七回忌などの法要、お彼岸やお盆などでも同じです。もう何年も経ったからといって、悲しくないわけはないのです。自分のそばにいた人がいなくなることがどれだけつらく寂しく、そして、悲しいことか。
人の心の痛みは簡単に癒やせるものではありませんし、そもそも痛みや悲しみはなくさなくてはいけない、悪いものではありません。整理がつかない感情の波に僧侶としてそばに居て、その人が感情や状況に対して無理をせず、ありのままで居られる助けになれるように努めています。

取材協力先 友光 雅臣

僧侶を目指せる学校を探すならスタディサプリ進路
RECRUIT