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僧侶になるにあたって、何か悩んだことはあるでしょうか。その場合、どのようなことに悩んだのでしょうか。僧侶とは縁のない暮らしをしていたのに、突然、僧侶の世界に足を踏み入れることになったある僧侶がいます。どんなことに悩み、解決したのかについて話を聞きました。
僧侶とは縁のない自分がやっていけるのか
僧侶は基本的に就活というものがありません。多くの寺は世襲制をとっているため、僧侶募集という求人票は出ることがない職業だからです。ある僧侶はお寺や僧侶とは何の縁もありませんでした。いったいどのようにして世襲制をとっている僧侶になったのか。未知の世界へ飛び込んだきっかけについて、紹介します。
ある僧侶はごく一般的な家庭に育ちました。高校生のときに交際していた女性が現在のお寺の三女でした。大学に入り、就職活動を始めた頃に、住職の妻(交際相手のお母さん)から突然、「僧侶になってみない?」という誘いを受けます。いきなりの話に驚くとともに、どうにも答えようがありませんでした。僧侶だなんてやってみたことがありませんから、できるもなにも、自分ではまったく判断がつかなかったのです。お寺と神社の違いもわからない自分にとって、僧侶はかけ離れた世界のことであり、どう考えても想像ができなかったと言います。
僧侶の仕事には、インターン制度もなければ、バイト住職もありません。もちろん、まわりに僧侶になった人もいませんでした。ましてや、僧侶には定年がありませんから、お寺の住職になった場合は死ぬまで住職でいることになります。ここで僧侶になる約束をするとなると、いったいこれから何年分の約束をすることになるのかと悩み、迷いました。安易に答えを出すことはとてもできなかったのです。
さんざん悩んでいると、住職から「やってみたら?」という言葉をかけられました。その時に、もしかしたらできるかもしれないと感じたそうです。実際に住職をしている本人が誘ってくれたからです。あとは、自分がやりたいか、やりたくないか、でした。その時点では「やります」とは言えないけれど、「やらない」と決めることでもないと考え、なってみてから決めることにしました。「ダメだったらやり直せばいい」という思いで、仏教を学べる大学に編入。とりあえずトライすることを優先しました。
その大学は天台宗を含めた仏教の基礎を教える大学です。在学中には天台宗の本山である比叡山へ行き、修業を積みました。無事に修業を終えて、大学を卒業。「僧都(そうず)」という僧階をもらい、その後結婚します。なんとかやれないことはないと感じ、お寺の副住職になったのでした。
僧侶になって感じたことは、苦手なことは無理にやらなくてもなんとかなるということ。逆に、好きなことはどんどんやっていいんだ、ということでした。現在は副住職で頑張っていますが、世代交代して自分が住職となったときにはたしてやり続けることができるのかという心配がないとはいえません。ただ、今のところは僧侶の仕事はおもしろいと感じているので、やっていけそうな気がしていると言います。
取材協力先 友光 雅臣