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仏教の大学を卒業して修業を終え、僧侶となった1年めはどのように過ごすのでしょうか。その過ごし方は宗派によって違いがあるだけでなく、お寺の規模や僧侶の人数など、お寺事情によっても差があるようです。ある僧侶が経験したことについて説明しましょう。
宗派やお寺の事情によって違う1年め
本山での修業が終わって僧侶になった後、さらに深く勉強をするために、宗派により追加の研修を行う場合があります。希望者対象ですが受ける人は多いようです。
さらに、僧侶が属するお寺の規模、檀家の数など、パターンによって過ごし方が違うため、僧侶の働き方も変わってきます。ここでは天台宗のお寺の場合について、説明します。
まず、大きなお寺の場合です。当然、檀家はたくさんいるので、働く僧侶は人数が多く、僧階(僧侶の階級)もさまざまです。僧侶1年めとして大きなお寺に入った場合は、一般的な新入社員と同じと考えてよいでしょう。一番下の「権律師(ごんりっし)」として下働きから始まり、仕事は事務所の掃除や書類の整理、お茶出し、庭の整備などです。
次に、町にあるお寺の場合です。檀家はある程度の人数がいる状況で住職1名、副住職1名でお寺を運営します。1年めから住職についてすべての仕事を覚えていくことになります。もし住職が法要などで出かけた場合は、副住職がお寺に残ります。もし住職のみ、つまり僧侶が一人しかいないお寺の場合は、掃除から法事まで一人で仕事をこなさなければなりません。
もう一つのパターンは地方などのお寺です。地方、特に田舎といわれるような土地柄では人口が少ないこともあり、すでに檀家がいない、という状況も少なくありません。檀家がいなくてはお寺はやっていけないので、副業(公務員や先生など)をしながら住職業を行うことになります。もしこのようなお寺の住職になった場合は、1年めから副業をもたないと、お寺を維持していくことは難しいようです。
1年めに経験してきたこと
ある僧侶のお寺は住職と副住職の2名体制です。コンビニにたとえるとバイトと店長しかいないようなもの。とはいえ、住職が不在の場合は、副住職がすべての業務をこなさなければなりません。そのため、1年めは、住職の後について、お寺の1年間の仕事をひととおり教えてもらいました。
お寺は檀家さんに支えられているので、まず、檀家さんに顔を見せて、住職に紹介してもらうことから始めました。このお寺の檀家さんは全部で400軒ほどになりますが、このくらいの数の檀家さんがいないと、お布施でお寺を運営していくことが難しい場合もあるようです。減りつつある檀家さんは大切にしなければならない存在です。法要を行い、お布施をいただいたら会計報告を行います。地域の会合には積極的に顔を出すことも必要です。
また、僧侶になりたての若い頃は、比叡山での研修もたびたび行われます。そんな時は住職にお寺をお任せして、研修に出かけることになります。
取材協力先 友光 雅臣