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これまではさまざまな団体によるキャリアカウンセリングに関する資格が乱立しており、キャリアカウンセラーのスキルやレベルが図りにくいという課題がありました。それを受けて誕生したのが、キャリアコンサルタント国家資格です。国家資格取得者としての社会的信用を受けられるという点からも、今から取得を考えるなら、キャリアコンサルタント国家資格を目指しましょう。
試験は学科試験と実技試験があり、学科・実技論述試験は年4回(2月・5月・8月・11月)。実技試験は、学科試験の1週間後もしくは2週間後に行われます(試験実施機関によって異なる)。
国家試験を受験するためには、厚生労働大臣が認定する養成講座を受講し修了するか、キャリアコンサルティングに関する3年以上の実務経験等が必要です。
2016年度第3回の合格率は、2つの試験機関の平均で49.3%(学科・実技試験同時受験者)。この数字からも、簡単ではないことがわかります。
養成講座は2017年2月27日現在15講習が認定されています。
キャリアコンサルタント国家資格の上位資格として、技能検定キャリアコンサルティング職種(1級・2級)があるほか、2つの民間資格も社会的に有効な資格として今なお継続しています。
キャリアコンサルタント国家資格
▼養成講座を受講する
キャリアコンサルタント国家試験を受験するためには、厚生労働大臣が認定する養成講座を受講し、修了しなくてはなりません。
養成講座は2017年2月27日現在、15の機関による講習が認定されています。
開講時期や開講都市は実施機関によってさまざまですが、開講都市は最も広範囲な機関の場合、北海道から沖縄まで全32都市で開講しています。
講習は最低140時間と決められており、通学と通信で約3~4カ月間かけて行われます。通学と通信の時間割もそれぞれに異なりますが、通学はおよそ12回~14回、通信は35~76時間。受講には29万1600円~37万8000円ほどの費用がかかります。
▼国家試験概要
キャリアコンサルタント国家試験は厚生労働大臣が登録した次の登録試験機関が行います(2016年4月1日現在2機関)。
・特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
≪試験日・試験地・受験資格≫
◆試験日/学科・実技論述試験は2月、5月、8月、11月の年4回実施※2機関が共同で、同一日に共通問題で実施。実技面接試験はその1週間後もしくは2週間後(実施機関によって異なる)
※キャリアコンサルタント学科試験または実技試験においてどちらか片方の合格者は、合格している試験は免除
◆試験地/特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・沖縄(札幌・仙台・沖縄は回によって実施がない場合あり)
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・愛媛・福岡・沖縄(愛媛と沖縄は予定)
◆受験資格
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発および向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
など
≪試験内容の概要≫
◆学科・実技論述試験
・学科試験/職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目、キャリアコンサルティングの理論・実務・社会的意義に関する科目、キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目。マークシート方式で出題総数は50問
・実技論述試験/事例記録を読み、設問に解答。記述式で1~2問
◆実技面接試験
・ロールプレイ/受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う
・口頭試問/自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える
試験は1ケース、20分
≪合格率≫
・特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会/学科:66.1%、実技:65.7%、学科・実技試験同時受験:50.6%
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会/学科:63.3%、実技:61.9%、学科・実技試験同時受験:48.6%
(2016年度 第3回の結果※2017年2~3月実施)
※特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会発表
▼5年ごとに更新が必要
キャリアコンサルタント国家資格には更新制度が設けられています。5年ごとに国が指定する更新講習を38時間以上修了する必要があります。キャリアコンサルタントは名称独占資格のため「キャリアコンサルタント」と名乗れるのは国家資格の有資格者のみとなります。
国家資格以外の資格
▼民間資格で有効なのは大きくは2つ
キャリアコンサルタント国家資格が誕生する前はいくつもの民間資格がありました。国家資格化以降もこれらは継続されており、キャリアカウンセラーのスキルを証明する資格として認められています。なかでも、社会的に有効な資格は以下にあげる2つです。
・CDA資格
JCDA(特定非営利活動法人日本キャリア開発協会)が認定する資格で、キャリアカウンセリングの実務家向け資格として2000年に誕生しました。
2016年11月20日現在、1万5204名がこの資格を取得し会員登録をしています。
スキルアップ研修やロールプレイング実習、指導者研修など、会員へのサービスが充実していることが支持を受けています。これまでは、CDA資格認定試験がありましたが、キャリアコンサルタント国家資格の誕生によって、株式会社日本マンパワー、株式会社リカレント、学校法人大原学園が実施する養成講座を受講し、キャリアコンサルタント国家試験に合格後、日本キャリア開発協会への会員登録が完了するとCDA有資格者として認定されます。
・GCDF-Japanキャリアカウンセラー資格
特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会が認定する資格で、世界16地域が採用する国際的なキャリアカウンセラー資格であることが特長です。同協会ほか、テンプスタッフ株式会社、マンパワーグループ株式会社の養成講座を受講し、キャリアカウンセリング協会実力判定試験に合格するか、キャリアコンサルタント国家試験に合格すると、GCDF-Japanキャリアカウンセラー資格認定の申請ができます。しかし、資格認定を受けるには、キャリアカウンセリングに関する実務経験が必要です。同資格取得者が他国でも活動できるための新しい資格制度を整える動きもあり、世界で活躍するキャリアカウンセラーを目指すなら、有効な資格と言えるでしょう。
・キャリアコンサルティング技能士(1級、2級)
キャリアコンサルティング技能士とは、キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)に合格した人を言い、キャリアコンサルタント国家資格よりも上位に位置づけられます。
厚生労働省が定めるキャリアコンサルタントの4段階のレベル(導入レベル、標準レベル、熟練レベル、指導者レベル)のうち、2級は熟練レベル、1級は指導者レベルと定められています。2016年4月以降は、キャリアコンサルタント国家資格を取得後、2級であれば3年以上、1級であれば8年以上の実務経験を有することで受検資格が得られます。
2016年度後期 第17回の合格率は、2級の学科が62.7%、実技が15.2%、1級の学科が53.4%、実技が8.3%。非常に狭き門となりますが、自身のスキルと知識をたしかに証明できるものとなるはずです。
※合格率は特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会発表
▼先に企業の採用試験を受けるという考え方もある
キャリアカウンセラーになるための試験は、企業の採用試験もあります。資格を取得せずに、人材関連企業や、一般企業の人事部門でキャリアカウンセラーとしての第一歩を踏み出すことも可能です。
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