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日本でベビーシッター制度がはじまったのは1960年代と言われており、歴史はそれなりに長い業界です。ただし、ベビーシッターは一部の富裕層向けのサービスという意識が根強く、一般の人にも浸透しはじめたのはごく最近のことです。
共働き世帯の増加、核家族化の進展、少子化による子ども1人あたりの保育・教育費の増加によりベビーシッターを利用する家庭は年々増えつつあり、社会的な認知度も高まってきたのが背景になります。
特に、共働き世帯が保育所に子どもを預けられない「待機児童問題」が深刻化するなかで、子どもの預け先としてベビーシッターを選択肢の1つに入れる家庭が増えてきました。
とはいえ、行政からの補助が出ないため家庭によっては利用料が月に数十万円に達してしまうという負担の大きさや、本当に信頼できるベビーシッターかどうかを利用者が判断しにくい現状など、ベビーシッターの利用促進のためには業界全体として解決しなくてはならない問題がまだまだいくつも存在します。
こうしたなか、東京都ではベビーシッターを利用しやすくするための政策をスタートしました。その他の大都市圏でも同様の政策がはじまれば、さらにベビーシッターのニーズが高まっていくと予想されます。
ベビーシッターを利用したい家庭は増加
出産後、仕事に復帰する母親が増えてきたこと、また祖父母など両親以外に子どもの面倒が見られる人と同居・近居する家庭が減っていることから、保育所に入れない待機児童の預け先確保が日本全体の課題になっています。
そんななか、注目を集めているのがベビーシッターです。保育所のように定員が決められていないこと、月極めのほか、週に数回、月に数回の一時利用も可能という柔軟性の高さ、通勤時に子どもの送迎を考えなくてもいいことなどメリットは多く、保育所に預けられない家庭の救世主として多くの共働き世帯をサポートしています。
ただし、個人向けサービスであるベビーシッターは保育所や幼稚園のように行政から補助金が出るわけではないため、フルタイムで利用する場合の出費は1家庭あたり十数万~数十万円になることもあります。
金銭的な負担が利用促進のネックになっていることから、東京都では、ベビーシッター利用者に対して補助金を出し、認可保育園に通わせるのと変わらない負担額でサービスを利用できるようにするなど、課題解決に向けて具体的に動き出しています。
この流れが各自治体に波及すれば、全国各地でのベビーシッターのニーズはさらに高まっていくと予想されます。
英語ベビーシッターのニーズが拡大
ベビーシッターの求人情報をチェックするなかで目に留まるのが、英語で子どもと接する「英語ベビーシッター」です。
英語ベビーシッターはシッター中に日本語を使うことは基本的になく、簡単な英語とジェスチャーで子どもとコミュニケーションをはかります。日常生活のなかで自然と英語を学べることから、「幼少期から子どもを英語に親しませたい」という保護者からのニーズが高く、徐々に人気が上昇しています。
英語が母国語の外国人のほか、帰国子女や留学経験があるなど、英語が堪能な日本人も英語ベビーシッターとして活躍しています。さらには、中国語やフランス語など、英語以外の言語に対応してほしいといった個別ニーズも出てきました。国際化の時代である今、多言語に対応できればそれだけシッターとして働くチャンスも増えることから、ベビーシッターを目指すうえで「外国語の習得」は意識しておきたいポイントの1つとなるでしょう。
より細かなニーズに対応できるベビーシッターが必要に
「英語を教えてほしい」以外にも、「ピアノを教えてほしい」「絵画を教えてほしい」など、シッター業務中に子どもに何らかの教育をほどこしてほしいというニーズが増えています。
また、発熱した子どもの看病をする病児保育のほか、生後まもない新生児ケア、病気や障がいをもつ子どものためのシッターなど、家庭ごとの多様な要望に応えるための専門サービスも誕生しています。
ベビーシッターの世界はどんどん細分化され、活動領域を広げているのです。それに合わせて、これらの専門サービスに対応できるベビーシッターの人材確保も盛んになっています。
語学や音楽が堪能である、保育士資格・看護師資格・助産師資格をもっているなど、+αの技能や資格をもつベビーシッターの需要は年々高まっており、この流れはベビーシッター利用者の拡大とともにますます加速していくと考えられます。
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