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保育士と社会とのかかわりは?

保育士と社会とのかかわりは?

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近年は保育の現場や給与・待遇に関する負の側面がクローズアップされてきましたが、少しずつ改善が進んでいます。保育士それぞれが自身の知識やスキルをよりブラッシュアップし、世の中が保育士の仕事の専門性を再認識することで、保育士の社会的立場はきっと今まで以上に高まっていくはずです。

働き方が変わり保育所へのニーズも変化

ある認可保育所の所長は、「保育所への要求がどんどん多様化している」と語ります。
例えば、「もっと早い時間から子どもを預かってほしい」「もっと遅くまで子どもを預かってほしい」というのはよく聞かれる声です。
ある保育所では7:30~19:00という長時間で保育を実施していますが、フルタイムで働く保護者が増え、始業時間に間に合わない&お迎えが間に合わなケースが増えているのが一因になっているそうです。また、ショッピングセンターや携帯ショップなどのサービス業従事者が増えていることから「土日も子どもを預かってほしい」という要望も多くなっています。
さらに、「リフレッシュ保育」と呼ばれる一時保育へのニーズが大きくなっているのも一つの特徴だと言います。リフレッシュ保育とは、保育所に子どもを預けていない(預けられない)家庭の子どもを一時的に預かる公的な事業のことです。指定の公立保育所が月に2回ほど実施するもので利用には事前予約が必要になるのですが、毎回希望者が殺到し、「予約開始と同時にすぐに定員がいっぱいになってしまって全然利用できない」という状況が生まれています。
リフレッシュ保育は育児疲れの解消を図るためにスタートした支援サービスですが、そのニーズに体制が追いついていない現状があるようです。

保育サービスの拡充には待遇改善が必要

では、それらのニーズをすべて受け止めていくことは可能かというと、難しいのが現状です。なぜなら、より多くの子どもをより柔軟に預かるためには、保育士の数が足りないからです。認可保育所や認証保育所では、一人の保育士が面倒を見ることのできる子どもの人数が定められています。その基準を満たすギリギリの人員でシフトを回している施設では、預かる子どもや時間を増やすために保育士を新たに採用しなくてはなりません。ところが、人員を増やそうにも、保育士志望者の減少と保育士の離職が大きな壁となり、難しいのが現状です。

保育士の待遇改善に向けての政府の取り組み

現場の声を受け、政府は2013年に給与・待遇改善に向けての取り組みを開始しました。なかでも注目すべきなのは、「処遇改善手当」の増額です。
処遇改善手当とは、保育士の給与を底上げすることを目的に、政府が各保育所に配布している補助金のことです。2013年以降、保育士1人あたり月額14%(約4万4000円)の給与改善を実施。2022年2月からはさらに3%(約9000円)の給与引き上げ措置もとられています。
また、中堅保育士の離職に歯止めをかけるべく、保育士経験がおおむね7年以上&指定の研修を受講した保育士を対象にした「副主任保育士」「専門リーダー」の職を新設。それぞれに月額最大4万円を支給することを定めています。また「職務分野別リーダー」には、月額最大5000円が加算されます。
ほかにも、政府とは別に給与に上乗せするための補助金を支給したり、借り上げ宿舎の家賃を全額補助したりと、独自の処遇改善をはじめている自治体もあります。

保育士に求められるスキルにも変化が

保育士の給与・待遇改善に向けての具体的な取り組みは、今後もしばらく続くと予想されます。これらの取り組みが世の中に広く知られるようになれば、保育士になりたいと考える人は増えてくるかもしれません。
そうした状況で、これから保育士を目指すうえで意識しておきたいのが、保育士に求められるスキル・レベルも以前とは変わってきているという点です。例えば、「副主任保育士」に認定されるには、「職務分野別リーダー」を経験したうえで、「マネジメント」について研修を積むほか、「乳児保育」「幼児教育」「障がい児保育」「食育・アレルギー」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」の研修を修了する必要があります。看護師の世界でも、がんケアを専門にする「専門看護師」がいるように、保育の世界でも各分野のスペシャリストを養成する動きが進んでいるのです。
また、保育士の採用面接では、「子どもが好き」「保育に情熱がある」というのは当然として、「情緒の豊かさ」「誠実さ」「コミュニケーション力」を重視するという現場の声も聞かれます。
最近は、育児疲れやストレスによる精神状態の不安定さから、「子どもの面倒を十分に見てあげられない」「育児がつらい」「子どもとうまく関係が築けない」という保護者が増えており、彼らのケアを行っていくことも保育士が担うべき大きな役割になっていす。なぜなら、保護者を守ることは、その子どもを守り育むことにもつながるからです。

2025年6月更新

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