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保育士は自分らしく活躍できる?

保育士は自分らしく活躍できる?

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保育所へ子どもを預ける保護者の声を巡って、男性保育士という存在や、その在り方に注目が集まっています。保育士の歴史は戦前まで遡ることができますが、戦後しばらくまでは女性しか就くことのできない職業でした。1977年になってようやく男性も保育の現場に入ることができるようになりましたが、そこから40年近く経ってもなお、男性保育士の割合は全体の約5%(2024年4月1日時点)とまだまだ少ないのが現実です。
なぜ、男性保育士の数は女性保育士になかなか追いつかないのか?
その背景を含め、男性保育士の現状と未来について考えてみましょう。

男性保育士 誕生までの歴史

保育士資格の前身となる保母試験が初めて実施されたのは1949年。しかし、その対象は女性に限られており、当時は男性が保母として働くことは認められていませんでした。
男性も保育に従事できるようになったのは1977年以降と、資格誕生から30年ほどのブランクがあったことになります。1985年に男女雇用機会均等法が制定されると、保育所で働く男性保育者には「保父」の名称が使われるようになりましたが、資格上の正式名称は「保母」のまま。名実共に男性保育者が女性保育者と肩を並べられるようになったのは、男女雇用機会均等法の改定で資格名が「保母」から「保育士」に改められた、1999年のことでした。

男性保育士の数と就労環境

2024年4月1日時点で、保育士登録者数189万8019人のうち、男性保育士は9万8676人と全体の5%程度。「保母」の名称が使われていた1995年は0.82%、「保育士」への改名直後の2000年は1.29%だったことと比べると増加傾向にはあるものの、全体的に見るとまだまだ少ないのがわかります。
こうした状況は、「保育士になりたい」と考えている人が男性に少ないというわけではなく、外的要因が大きいといわれています。
その大きな要因として挙げられるのが、保育士という職業の専門性への理解不足、そして利用者側や雇用側の受け入れ体制の問題です。
夫婦での育児分担については、それが現代のあるべき姿として世の中の意識が変わりはじめていますが、「保育は“母性”のある女性にこそ適した仕事」という根拠のないイメージが完全に取り払われたというわけではありません。また、女児へのプライバシー尊重についての声が上がっているのも事実です。

「保育士って、子どもの世話をして遊ぶだけの仕事でしょ?」という誤解もあります。また、男性保育士の増加に保育所側の対応が追いついておらず、「男性職員用の更衣室がなく、トイレで着替えなくてはならない」といった状況も生まれているそうです。

男性保育士に期待されていること

では男性保育士は保育現場でのニーズが少ないかといえば、決してそうではありません。異なる性の保育士がいることで、保育現場の多様性が促進される一面もあるでしょう。

「男性保育士に期待されていることは何だと感じていますか?」と現役の男性保育士に話を聞いたところ、「運動面の指導や力仕事については、やはり期待されているなと感じます。子どもや保護者にかけっこや鉄棒の指導をしてほしいと頼られることがよくあり、それは保育士としてうれしい瞬間ですね。また、子どもが言うことを聞かない時、男性保育士が注意をすると効果がある場合があります」との返答がありました。
とはいえ、現場の保育士が性別を意識することはそれほどないそうで、「男でも女でも、保育士である以上その役割や責任に違いはありません。誰もがプロ意識をもって仕事にあたっています」とのことでした。男女それぞれが自身の能力や長所を生かし、補い合いながら「チーム」として子どもたちを守り育てていくことこそが、保育士にとって何より重要なことなのだそうです。

2025年6月更新

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