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臨床心理士の歴史を知ろう

臨床心理士の歴史を知ろう

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臨床心理士はどのような経緯を経て誕生し、現在に至っているのでしょうか。 “心の問題”は目に見えずわかりにくいことから、臨床心理士の資格認定制度は難しいとされましたが、1988年にようやく誕生しました。2018年に新しく設立される『公認心理師』についても触れます。

心の専門家として取り組む

臨床心理士の資格認定制度は『カウンセラー設置に関する建議』として、1953年には国会決議がされ、話題となっていました。しかし、心の問題は目に見えにくくわかりにくいことや個人差が大きいこともあり、積極的には検討されませんでした。その後、専門的な心の支援について明確に技法を確立することは難しいとされ、資格認定制度の導入はしばらく見送られることとなります。
 1988年に臨床心理士の資格審査・認定を行う『日本臨床心理士資格認定協会』が発足したことにより、その年の12月には初の臨床心理士が誕生しました。翌1989年には『日本臨床心理士会』が設立され、臨床心理士資格の『5年更新制度』が導入されます。一度取得した臨床心理士の資格は永久的なものではなく、常に専門的資質の維持・向上に努めなければなりません。臨床心理士の生涯学習として、研修会への参加や学会での活動、論文の発表などを行うことでポイントを取得し、5年ごとに再認定を受けることになります。
 1995年には、国の『スクールカウンセラー委託研究事業』が開始され、全国の154校に臨床心理士が派遣されました。その後、各都道府県の公立小学校、中学校、高等学校への派遣が進み、2001年度からはスクールカウンセラー活用事業として、全国でのスクールカウンセラー配置校は1万校を超えています。2013年からはすべての公立学校へのスクールカウンセラー配置と、24時間体制の電話相談を実施することになりました。
1988年の初認定から2018年までの30年間で、3万4504名が臨床心理士として資格取得・認定され、今後の活躍がますます期待されています。

公認心理師の誕生に当たって

2017年9月15日に公認心理師法が施行され、今年2018年9月9日には第1回公認心理師試験を実施する予定で、国家資格としての『公認心理師』が誕生することになります。これに対し、これまで心の問題でクライアントに寄り添い、旅先案内人として心理療法を行ってきた『臨床心理士』は民間の資格保有者です。
 活動分野については、臨床心理士が『教育、医療、司法、福祉、産業など』多岐にわたることに比べ、公認心理師は『保健医療、福祉、教育、その他の分野』とされています。受験資格はほぼ同じであり、はっきり言ってあまり違いはないと言えますが、今後、臨床心理士を目指す人にとって、どのような影響があるのかはわかっていません。
将来的には、公認心理師が臨床心理士を吸収する可能性がありますが、公認心理師試験の実施に当たっては移行措置が設定されているため、当初は玉石混交状態となる可能性があります。だからこそ、臨床心理士の資格をもつ公認心理師でなければ心理療法に特化した活動ができないとも言えます。名前が違うだけではないことは確かで、今後どうなるのかは注意深く見守る必要があるでしょう。

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