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美容師の必要な試験と資格は?

美容師の必要な試験と資格は?

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美容師として働くためには、美容師免許が必須。美容師国家試験は、筆記試験と実技試験で構成されています。春期は例年1月下旬~2月上旬に実技試験、3月上旬に筆記試験。秋期は例年7月下旬~8月上旬に実技試験、9月上旬に筆記試験となっています。ほとんどの美容学生は在学中の春期の試験を受験しますが、そこで不合格になった場合には翌年度の秋期の試験を受験することになります。春期の美容師国家試験の合格率は80%前半から後半を推移しており、秋期の試験の合格率は40%後半から60%ほど。この結果からも、在学中にまじめに学び、繰り返し実技を練習することが、美容師への近道と言えそうです。

出典:過去の試験実施状況(公益財団法人 理容師美容師試験研修センター)

美容師国家試験

2017年に省令改正が公布され、新制度に移行されはじめました。新制度下では試験の内容が変わるところもあります。ここでは新制度における概要を説明します。

≪試験日≫
例年1月下旬~2月上旬に実技試験、3月上旬に筆記試験
例年7月下旬~8月上旬に実技試験、9月上旬に筆記試験

≪受験資格≫
◆美容師養成施設で、次の課程を修了した人
昼間課程 2年以上
夜間課程 2年以上
通信課程 3年以上

≪試験内容≫
◆筆記試験
関係法規・制度、衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)、保健(人体の構成および機能、皮膚科学)、香粧品化学、文化論及び美容技術理論、運営管理


◆実技試験 1)美容の基礎的技術
第1課題 カッティング:20分以内に指定の長さでレイヤーカットに
第2課題 セッティング
A オールウェーブセッティング:コームと指で25分以内にウェーブを作り上げる
B ワインディング:4種類50本以上55本以内のロットを20分以内に巻く
第2課題は毎年試験前にAかBか発表されます。

2)衛生上の取り扱い
身体・用具類の衛生状態および衛生上の取り扱い

※実技試験または筆記試験のいずれかに合格した人は、申請により次回の試験でその合格した試験を免除

≪合格基準≫
◆筆記試験の合格基準
以下、両方の条件を満たしている場合
1)55問中60%以上の正答率であること
2)関係法規・制度及び運営管理、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、香粧品化学、文化論及び美容技術理論のいずれの課目においても無得点がないこと

◆実技試験の合格基準
以下、両方の条件を満たしている場合
1)衛生上の取り扱い試験
 減点が20点以下であること
2)基礎的技術試験
 第1課題 カッティングの減点が30点以下であること
 第2課題 オールウェーブセッティングの減点が30点以下であること
※ワインディングは新制度の移行開始後に課題選択されていないため不明(2020年8月20日現在)


◇合格率:85.1%(令和元年度春期)、58.1%(令和元年度秋期)
出典:過去の試験実施状況(公益財団法人 理容師美容師試験研修センター)

そのほかにあると便利な資格

○管理美容師
将来独立し、自分のお店をもつことを考えている人に必要となる資格です。2名以上が働く美容室には、管理美容師資格取得者を1人以上置かなければならないと美容師法で決められています。管理美容師の資格は、美容師免許を取得後3年以上美容の業務に従事したうえで、都道府県知事が指定した講習を受講すると取得できます。

○着付け技能士
着付け技能士は国家資格です。技能のレベルに応じて1級と2級があり、一般社団法人全日本着付け技能センターが実施する試験への合格によって、資格を取得できます。成人式や大学の卒業式、結婚式や子どもの七五三など、着物を着る機会は少なくありませんが、自分で着ることができる人は皆無と言ってよいほど。成人式の日は着付けを希望する新成人で美容室はいっぱいという状態ですので、着付け技能士の資格をもっておけば重宝されるでしょう。美容師免許を取得していると2級は実務経験が問われず、1級は2年の実務経験で受検することができます。

○色彩検定(R)
従来「感性」だけによるものと見られがちであった「色に関する知識や技能」を理論的、系統的に学ぶことにより、「理論に裏付けられた色彩の実践的活用能力」を身につけることを目的にした技能検定です。近年、ヘアカラーリングは2色・3色ミックスが主流になっており、その色の組み合わせに生かされます。また、お客さまがよく着る洋服とヘアカラーリングのコーディネートなどにも生きるので、よりお客さまに似合うカラーを提案できることも美容師としての強みになるでしょう。

○ネイリスト、メイクアップ
ネイリスト技能検定試験、日本メイクアップ技能検定など、ネイルやメイクに関する資格は複数の団体が主催しています。最近では「トータルビューティー」に力を入れる美容室が増えていますので、メイクやネイルの知識や技能も、美容師には必要なものと言えそうです。

取材協力・監修

公文啓敬※2020年8月27日更新

美容師。青山、表参道エリアの有名店を経て、現在表参道のietto(イエット)、錦糸町のREANでサロンワーク。 東京、京都、シンガポールの三箇所を拠点に活動。サロンワークを中心に撮影、映画のヘアメイク、講師、執筆、雑誌など幅広く活動。幅広い知識と理論に基づいた「似合わせ」は定評を得ている。

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