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ドッグトレーナーの歴史を知ろう

ドッグトレーナーの歴史を知ろう

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ドッグトレーナーは牧羊犬の訓練から始まったと言われています。その後、警察犬や盲導犬など、人の役に立つ犬を育てることとなり、一般家庭の飼い犬のトレーニングを受け持つようになったようです。これからどうなっていくかを含めて、あるドッグトレーナーの考えを説明しましょう。

時代とともにドッグトレーナーの役割も移り変わる

日本では明治維新により、猟犬などが輸入されるようになりました。一部の富裕層が趣味として犬を飼っていた時代です。馬主が馬を飼って調教師をつけてレースに出るのと同じように、高級な犬を取り寄せて、ドッグショーや展覧会などで優勝するために訓練士を雇ってトレーニングをおこなっていたのがドッグトレーナーとしての始まりです。
第一次世界大戦後は、軍用犬や警察犬などが活躍したことから、犬がいかに役立つかが理解されるようになりました。それと同時に訓練士の必要性も増えていきましたが、第二次世界大戦が起こると、犬を飼うどころではなくなってしまいます。訓練をする犬がいなくなったドッグトレーナーは縮小の一途をたどりました。
戦後は不安な時代が続きます。物資がなく生活に困窮する国民が必死に働き、少しずつふつうの生活を取り戻していくと、必要だとされたのが「番犬」という存在でした。家族や財産を守るために飼われるようになったのがシェパードや日本犬などです。また、駐留軍の家族が連れてきた洋犬が次第に日本でも根付いていくようになると、登録する犬の種類が増え、ドッグトレーナーの需要も増えていったのです。
犬の種類が増えるとともに、純潔犬種の繁殖も困難を極めます。血統を証明・登録する団体が存在しなかったためです。そこで、有志により「全日本警備犬協会」を設立する動きがあり、1949年には農林大臣から設立許可が下りました。1952年には名称をジャパン・ケンネル・クラブ(以下、JKC)と改めると、ドッグショーを開催し、純粋犬の繁殖の定着に貢献していくようになりました。この頃になると、犬の品評会であるドッグショー(ドッグコンテスト)などに出場して犬の調教をおこなうハンドラーという訓練士が出現します。プロの調教師として犬を預かってトレーニングをおこない、ドッグショーに出場するのです。現在もハンドラーは活躍していて、5つの資格があります。
また、ある時期、日本では狂犬病が発生し、犬に噛まれた人間が狂犬病に感染して死亡する事例もありましたが、狂犬病予防法が制定され撲滅にいたります。これにより、犬の登録と予防注射の重要性が認識され、法律で義務付けられることになりました。
1950年代半ばになると、犬は一部の富裕層から、芸能人へ、さらに一般の国民が飼うペットとなり、登録される数もどんどん増えていきます。犬小屋をあてがわれ、屋外で飼われていた犬はやがて家の中で飼われるようになります。すると、家庭内で家具を噛んだり、吠えたりするという問題行動が出始め、それをカバーするために訓練が必要となりました。ドッグショーに出場するための訓練とは違うため、家庭で家族として生活する犬をしつけるドッグトレーナーのスキルはまた違うものが要求されているのです。
さらに、ジャパン・ケネル・クラブと改称したJKCでは、頻発する災害に対応するために災害救助犬の育成が始められました。2011年に起こった東日本大震災をはじめとする災害で被災者の捜索にあたるなど、犬と人間が幸せに暮らすために活躍しているドッグトレーナーは少なくないのです。

取材協力

谷野孝光

『人と犬、両方の幸せを!』をモットーに、飼い主の耳の痛いことを言い続けて20数年。犬との共生社会の実現に向けて、犬数千頭とその飼い主に触れてきたドックトレーナーです。生涯飼育のお手伝いをするべく犬の幼稚園、保育園、美容院、ホテルを営み、社会に貢献することを目指しています。

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