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大工の起源は、およそ1400年前の飛鳥時代までさかのぼるといわれます。一説によると、聖徳太子が作った建築技術者の組織では、木にかかわる職人を「右官」、土にかかわる職人を「左官」と呼んでいたそうです。江戸時代になると右官は大工と呼ばれるようになり、その呼び名が現在まで続いています。都市部では鉄筋コンクリート造りのマンション建築が盛んで、大工の仕事が減っているように見えます。しかし一方で、耐震性能や断熱性能にすぐれた「木の家」の研究が進んでおり、温かみの感じられる木造建築を見直す動きも強まっています。若手大工が不足している現状もあり、日本古来の技術を今に伝える大工職人のニーズは、今後も高まることが予想されます。
技術を高める
かつては住宅メーカーが自社のプランに沿って建てた住宅を販売する「建売住宅」が流行した時代がありました。そんななか、主に室内の空気の悪化が原因で発生するといわれる体調不良(シックハウス症候群)の存在が明らかになったことで、消費者は使用する素材にもこだわるようになり、結果として、自然素材を多用する木造住宅が再び脚光を浴びています。伝統的な工法で建てる住まいは、見た目はもちろん、木材の接合などにも技術の差がはっきり出てしまうため、長く活躍するには大工として高い技術を身につけることが求められます。細かなところにも手を抜かずにていねいな仕事をする大工は高く評価され、大きな仕事をまかされるでしょう。こうした経験を重ねて、家づくりのリーダーである棟梁(とうりょう)へとステップアップしていくのです。
新しい技術を身につける
建設機械の発達やCAD(2D/3D製図ソフト)の進化などに伴い、大工の仕事にも変化が生じています。現場では新しい建材や技術を使用する機会が増えており、大工にはこれらを使いこなす知識と経験が求められています。特にCADを使えると設計図を書けるようになるため、大工の仕事を続けながら通信講座などを利用してCADについて学ぶ大工もいます。構造計算の不要な改修工事であれば、大工がCADを使って設計図を書くこともできるので、改修の依頼にも時間をかけずに対応できます。こうした努力が、お客さまから信頼を得る支えになるのです。
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