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大工の仕事道具といえば、金槌(かなづち)、鋸(のこぎり)、鉋(かんな)といったところがすぐに思い浮かびますよね。中学校の技術の時間に使い方を習ってもいるでしょう。それだけに、器用に鋸(のこぎり)をひいたり、鉋(かんな)で表面を削ったりできる人がいるかもしれませんが、プロに求められるのは寸分の狂いも許されない高等技術。「最初は道具を持たせてさえもらえなかった」と入門当時を振り返る職人が少なくありません。それでは何から始めるのかというと、見習いという立場で、まずは道具の名前を覚えるところから始めます。
まずは道具を覚えるところから

金槌(かなづち)とひと口に言ってもそれぞれ用途に応じて、両口ハンマー、石頭ハンマー、テストハンマーなど、たくさんの種類があります。大工が日常使用する道具の数は100種類を超えるといいます。それらを現場のスケジュールに合わせて、どの材料を、どのタイミングで使うかを把握し、それに合わせて道具を用意できるまでに、最低でも3年はかかるといわれています。
もちろん、学校のように覚える時間が与えられるわけではありません。先輩大工のアシスタントをしながら作業の手順を覚えたり、必要な道具を手渡ししたりと忙しく働きながら覚えるのです。さらに、新人の大事な仕事が後片づけのお手伝いです。鉋(かんな)くずや鋸(のこぎり)くずを掃き掃除して、端切などを片付ける。そして大事になるのが道具の片付けです。道具には刃物など危険なものがありますから、慎重に行います。これも先輩の仕事を見よう見まねで覚えていきます。
メンテナンスで触れる
大工道具は繊細なものですから、メンテナンスが欠かせません。もちろん、それが新人にまかされることはほとんどないといいます。親方や先輩の大工一人ひとりの個性によって手入れ方法が異なることが少なくなく、手入れを任されるようになるまでにはそれ相応の年季が必要のようです。ただし、任されることはなくとも先輩が手入れをしている様子をしっかりと見て、覚えることがスキルアップにつながるでしょう。この学習姿勢を先輩方はしっかりと見ているといい、意欲いっぱいに学ぼうとしている姿勢が見て取れれば早く仕事を与えるといいます。
現場と照らし合わせて図面を読む練習
建築現場では道具を上手に使いこなせばそれだけでいいということはありません。現場を任されるようになるためには図面が読めるようになる必要があります。図面は音楽の譜面と一緒で、これに沿って建物は造られていきます。読み間違えると傾いた家が建ってしまうかもしれません。「新人であろうと、図面をひと通り理解し、そこで築き上げられる建築物と照らし合わせながら、自分の理解と違っている部分がないか、一つひとつ確かめる気持ちをもつことが大切」と多くの先輩大工が口をそろえます。もちろん、現場は新人大工が理解できた、できないにかかわらずどんどん進んでいきますので、やはり、たくさんの経験が必要ということになるでしょう。いずれにしても、大工の1年めは、頭で覚えること、身体で覚えることがたくさんあります。
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