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空間をデザインするうえでのクリエイティブな力をはじめ、依頼主の要望をくみ取って形にしていく提案力、また依頼主に「この人に建ててほしい」と選んでもらえるよう、自分の案を魅力的に伝える力も必要です。また、より良い建築物を造るためには、その建物や空間を利用する人の目線で考え、使いやすさや居心地の良さを見据えた、心のこもった提案も大切となります。さらに、建築だけでなく、さまざまな分野への興味をもつことで新しいデザインやアイデアが生まれるきっかけとなり、人々から愛される建築物を造ることにつながっていくでしょう。
創造性
依頼主の希望を実現するために、建物の土台となる基礎から、空間デザイン、使う素材の種類、色までトータルで考えていきます。周辺環境や敷地の形、建物の利用目的などは毎回異なるので、一つとして同じ条件の建築物はありません。依頼主のニーズに沿って設計コンセプトをたて、自分のアイデアやセンスなどの感性をもとにデザインし、さまざまな建築物を設計していく、クリエイティブな要素が必要となります。
提案力
設計するときは、依頼主のイメージをヒアリングし、希望に合わせた空間やデザインを提案していきます。希望を最大限取り入れ、予算の範囲内でどれだけ依頼主の希望を反映できるかも重要です。また、コンペと言って、複数の会社などが競って仕事を勝ち取るケースもあるため、図面だけでなく、手書きまたはCG(コンピュータグラフィックス)のパース、模型、文章などを使って、いかに自分の案を魅力的に説明・アピールできるかも大切な要素となります。
相手の立場に立って考える力
建築士の仕事では、いかに依頼主が満足できる建築物を建てられるかが重要です。建築士の自己満足では成り立たず、依頼主の立場を考えて設計することが求められます。例えば、小さな子どもがいるファミリーの住宅を設計する場合、料理をしながらでも子どもの様子がみえるキッチン、子どもが大きくなってからも使いやすい間取りなど、思いやりとも言える心遣いをもって設計することで、依頼主の満足度は大きく変わってきます。「この会社にお願いしたい」「この人に建ててほしい」と思ってもらえる設計ができるかは、技術面だけでなく、相手の立場に立って考える“心”も大切です。
建築以外への興味
建築物を造るためには、デザインの美しさなどのアート性と技術性を兼ね備えることが大切になるため、「建築は総合芸術だ」という意見もあります。個人の住宅から映画館やコンサートホールなどの公共建築物、街づくりまで、幅広く設計を手掛ける立場にあるからこそ、建築だけでなく、歴史、映画や音楽、サブカルチャーなどさまざまな分野に興味をもつことでアイデアの幅も広がり、設計する建物や空間が多くの人々から愛されるものになるでしょう。
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