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パイロット(航空機操縦士)は資格取得が大変難しい半面、他の職種と比べても高い収入を得ることができる職業です。
全日本空輸(ANA)・日本航空(JAL)や今話題の格安航空会社(LCC)など旅客機を操縦するパイロット、そのほかにも自衛隊や物資輸送、報道メディアなど事業目的のパイロットと、資格によって携わることができる業務の範囲が異なります。パイロットの実際の年収はどのぐらいなのか、収入面をチェックしていきましょう。
パイロット(航空機操縦士)の年収ってどれぐらい?
航空会社のパイロットの年収は、他の職種と比べて、トップクラスの高収入が得られる職業です。大手航空会社の機長では、年収2000万円を超える場合もあるとも言われています。
それでは、実際の年収はどれぐらいなのでしょうか。「平成29年 賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、パイロットの平均年齢は43.3歳、平均月収は男性で89.4万円、年間ボーナスは119.9万円で、年収では1192.7万円でした。
パイロット(航空機操縦士)の平均給与
平成29年度の国民生活基礎調査によると、日本国民の所得の中央値が442万円であるため、2.7倍ほどの年収となっており、平均よりもかなり余裕のある生活を送ることが可能であると言えます。
パイロットになった場合、働く会社の大きさによって収入の違いはあるの?
次に、働く会社の規模によって収入に差が出るのかを見ていきましょう。
年収が最も高いのは、企業規模が100~999人の会社で、平均年収が1288.1万円でした。続いて、企業規模1000人以上が957.7万円、最も少ないのが10~99人で641.5万円でした。パイロットの年収と一口に言っても、会社規模によって開きが大きいことがわかります。
パイロット(航空機操縦士)の企業規模別 年収・年間ボーナス平均額
大手航空会社の全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)は1000人以上の会社規模に該当します。一般的に、こうした大手航空会社に勤めている場合のほうが、年収やボーナスが高いと想定されますが、平成29年度の賃金構造基本統計調査では、大手航空会社よりも、会社規模100~999人に属するパイロットの平均年収のほうが高いという結果でした。
こうした中小企業のパイロットの年収が高い理由は、フライト時間の長さが影響している可能性が考えられます。パイロットの給与形態は、会社によっては、時間給で支払われることもあり、年収の高い100~999人の会社のパイロットは、それだけ飛行時間が長いと考えられます。実際、平成29年賃金構造基本統計調査によると、会社規模1000人以上の所定内労働時間数148時間に対して、100~999人は153時間でわずかに労働時間が長くなっています。
パイロットは年齢や経験によって収入の差はあるの?
年齢や経験年数によっても収入は変わっていくのでしょうか?
パイロットの年齢別平均年収額の推移を見てみると、20~24歳で331.8万円からスタートしており、はじめはそれほど高くありません。しかし、25~29歳では、1016.2万円と一気に上昇し、20代後半で1000万円強の年収になります。その後も徐々に上昇し、40~44歳で年収は1369.3万円になります。本調査では60~64歳がピークで年収は1373.8万円でした。
パイロット(航空機操縦士)の年収推移(年齢別)
最後に、経験年数別で見ていきましょう。月収は、経験年数0年目で60.5万円、1~4年目で82.6万円、5~9年で85.2万円、10~14年で95.3万円、15年以降で98.6万円と、経験年数が増えるごとに年収はどんどん増加していきます。年間ボーナスも、0年が19.3万円で、1~4年が100.4万円、5~9年が132.4万円、10~14年が172.1万円と徐々に増加していきます。
パイロット(航空機操縦士)の経験年数による収入の推移
パイロットは「2030年問題」で今後ますますニーズが高まり、
給与アップが見込まれる職業
今後、パイロットの人手不足が深刻になることが予想されており、ニーズが高まる可能性が高い職業といえます。具体的には、全世界で現在の2倍以上の人数が、アジア・太平洋地域に限ると約4.5倍の人数が必要であるとも試算されています。
2030年ころにベテラン機長らの多くが退職を迎えることや格安航空会社(LCC)が増えたことによりパイロットの需要が増えたことが理由です。各航空会社の間で人材の争奪戦が繰り広げられ、パイロット全体の年収は高騰しています。パイロットの年収は今後ますます伸びていくでしょう。
「平成29年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/index.html
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