編集者になるのに「絶対にこうしなければならない」という決まりはありません。とはいえ、出版社、新聞社の出版局、編集プロダクションに入社することが一番の近道と言えるでしょう。いずれもそれぞれの会社が実施する入社試験をパスすることが条件になりますが、大手出版社や新聞社の出版局への就職を希望する場合は、入社試験の受験資格が4年制大学の卒業者(見込み者)に限定されていることが多いため、まずは4年制大学への進学を目指すことになります。中小規模の出版社や編集プロダクションの場合は学歴にこだわらないことも多いですが、経験者採用しか行っていない会社もあるなど、独自の規定があります。どんな組織に属するかによって、仕事の内容や幅には違いが出てきますので、まずは自分が編集者としてどんな仕事をしたいのかを考えてみるといいでしょう。
編集者の学校の選び方
編集者は何か特別な技能を必要とするわけではありません。どちらかというと、いかに豊富な知識をもっているかが仕事の幅を広げてくれるタイプの職業です。そのため、高校卒業後、さまざまな学びを得られる学校に行くことは決して無駄にはなりません。特にこのジャンルに精通していなければいけないということもないので、自分が一番興味のもてる分野を選ぶといいでしょう。編集者は自分でゼロから仕事を生み出すことが可能ですので、何か1つ突き詰めたことがあれば、その知識を生かした企画を立てることができますし、自分の得意分野として周囲にアピールすることもできます。ただし大手出版社や新聞社の出版局では、4年制大学の卒業者のみを入社試験の対象にしていることがほとんどなので、それらへの就職を考えているのであれば4年制大学への進学を視野に入れましょう。
編集者に求められる人物は?適性を知る
書籍や雑誌への愛情は絶対条件であり、読書量の豊富さや世の中への興味・関心も、編集者として仕事の幅を広げるためには不可欠です。また、締め切りまでに原稿を仕上げるスケジュール管理能力のほか、どんな場や人にも動じない大胆さ、トラブルへの対処力、相手に自分の意思を伝えて納得・協力してもらうことのできる表現力やコミュニケーション力も必要です。一見華やかな仕事に見えますが、常に時間に追われ、多くの人をコントロールしなくてはならない立場であるため、仕事は非常に多忙であり、ハードです。そんな日々に耐え抜く体力や精神力も問われることになるでしょう。
編集者の必要な試験と資格は?
編集者になるために必要な資格や免許はありません。就職を希望する出版社、新聞社の出版局、編集プロダクションがそれぞれ実施する「入社試験」を突破することだけが、唯一の条件です。大手の出版社や新聞社の出版局の場合は、4年制大学の卒業見込み者を対象にした新卒採用試験を年1回行うことがほとんどですが、中小の出版社や編集プロダクションは人の出入りが多いこともあり、欠員が出たら採用を行うパターンが多いようです。入社試験の内容は各社それぞれですが、履歴書(エントリーシート)応募→筆記試験→面接という流れが一般的です。
編集者を目指せる学校の学費(初年度納入金)
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
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記載されている金額は、入学した年に支払う学費(初年度納入金)です。また、その学費(初年度納入金)情報はスタディサプリ進路に掲載されている学費(初年度納入金)を元にしております。卒業までの総額は各学校の公式ホームページをご覧ください。
書籍や雑誌に掲載する原稿の発案・企画から出版までを、企画の責任者として統括するのが本作りにおける編集者の役割です。世間のニーズやトレンドも参考にしながらどんな内容が読者に受けるのかを考えてアイデアを出し、編集会議で企画が通ったら、取材・執筆を作家やライターに、撮影をカメラマンに、ページデザインや装丁をデザイナーに…と制作スタッフに仕事を発注し、印刷の締め切りに間に合うよう全体をコントロールします。自分が手を動かすクリエイターというよりは、原稿の方向性の決定やさまざまな調整業務を行うディレクター的な立場を担うので、本ができあがるまでのすべての工程にかかわることができるダイナミックさが魅力の仕事です。
編集者の気になる?年収・給料・収入
編集者の給料や年収は、どんな規模の会社に入るかに大きく左右されます。関係者の話をまとめると、大手出版社の場合は平均年収で600万円~800万円ほどのようです。ベテラン編集者や編集長になると1000万円を超えることもあり、水準としては高いと言えるでしょう。ただし、中小規模の出版社や編集プロダクションの場合の平均年収は350万円~600万円ほどにダウンします。また、これらはいずれも正社員の場合であり、契約社員やアルバイトになると、給料や年収はそれより下がります。フリーの編集者の場合は、「1企画いくら」「1ページいくら」とギャラを積み上げる形になりますので、どれだけの案件をこなせるかによって収入には差が出てきます。「稼ぎたい!」と思っても、自分で媒体を発行しない限りは出版社や編集プロダクションからの依頼がないと仕事はできませんので、実績や評価がそのまま収入に影響する実力ありきの世界と言えます。
編集者の就職先・活躍できる場所は?
編集者が働く場所は、出版社、新聞社の出版局、編集プロダクションなどが一般的です。出版社は大手出版社と中小規模の出版社があり、大手出版社は抱える媒体の数も多く、仕事内容は多岐にわたります。また、新聞社の出版局は政治・経済系の出版物に力を入れているなど、会社によって得意とするジャンルもあります。編集プロダクションは自社で書籍や雑誌を発行するわけではありませんが、出版社から依頼を受け、下請けという形で本を丸ごと1冊担当することもあります。そのため、編集プロダクションにも編集者と同じような働き方をする人がいる場合があります。またこれらの会社で経験を積んで独立し、フリーの編集者としてさまざまな出版社と組んで仕事をする人もいます。
編集者のズバリ!将来性は?
出版業界全体で、書籍や雑誌の販売部数の伸び悩みが語られています。利益確保が難しくなり、歴代の編集者が大切に育ててきた雑誌が廃刊になるといったケースも起こっています。これらはインターネットの普及によって、生活者の情報取得のツールがパソコンやスマホに移行していることが大きな要因であると言えるでしょう。とはいえ、Webの世界においても編集者の活躍の場はたくさんあります。Webメディアと呼ばれる情報発信サイトやメールマガジンの企画・運営のほか、電子書籍や電子コミック、雑誌の電子版に各社力を入れるようになっているからです。「紙」への愛着が多い編集者も多いですが、自身の仕事の可能性の幅を広げるためには、メディアにこだわらず、柔軟な発想で「編集」という仕事を考える時代になっています。
編集者の先輩・内定者に聞いてみよう
編集者を育てる先生に聞いてみよう
元編集者が担任!学生と一緒に笑って悩んで行動する先生
専門学校 名古屋ビジネス・アカデミー
マスコミ広報学科
編集者を目指す学生に聞いてみよう
編集者のやりがいを聞いてみよう
世の中にまだ出ていない情報を紹介したり、ライフスタイルを提案したりと、新たなトレンドやブームをつくっていくことができるのが編集者という仕事の醍醐味です。自分が手がけた本が読者の心を動かし、「こんな情報がほしかった」「この本に出会えてよかった」「人生が変わった」といった声をもらえることは、作り手として何にも代えがたいよろこびと言えます。また、好きな作家さんと一緒に本を作ることになれば、自分が世界で一番めの読者になれるという編集者ならではの特権もあります。ものづくりが好きな人にとっては、何もないところから1冊の本をつくり上げるおもしろさを感じられるでしょう。
編集者の志望動機を教えて!
やはり一番多いのは、「本が好きだから、本作りを仕事にしたいと思った」という動機です。「自分が経験したように、本で誰かを感動させられたら」「好きな作家さんといつか一緒に本を作りたい」「まだこの世にない雑誌を創刊したい」など、人によってその動機はさまざまですが、「“好き”という気もちを一番のモチベーションにして仕事をしたい」という大きな共通点があります。